今週の蒼樹紅

□パンダ
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ふうっ。と貴女が溜息をつく。ああ、溜息収納袋が欲しい、、。
「銀座の専門店でいただいているよう、、」
蒼樹さんの頬がほんのりと染まり、美しいではないか、、!
「この平丸も最近、紅茶に懲りましてねえ。どうです?いつも美味しい紅茶の味わえる生活とか?」
ナイス吉田氏!
「いいですねえ。平丸さん本当にお上手です」
僕と吉田氏は目を合わせた。
(もう、ひと押しだ!平丸!)
(はい!あなたについて行きます!)
「蒼樹先生に何か甘いものでも差し上げたらどうだ?」
「え、いえ、本当に結構です。美味しい紅茶をいただけましたし、、パンダさんのコレクションが、、」
蒼樹さんが嬉しそうに僕のコレクションを抱きしめる。
ああ、みんな、あとで僕も抱きしめてあげるからね、、!
(プレゼントは決まったな?平丸。あとは表参道のBVLGARIのチョコレートでも差し上げろ。チョコは媚薬になるらしいぞ)
(ええっ!はい!そうします!)
「私、そろそろ失礼いたします。お仕事の邪魔ですし」
「じ、じゃっ僕がポルシェで送ります!」
「いえ、この近くに親戚の家があるので寄っていきますし、、麹町まで近いですものね、此処は」
あ、蒼樹さん、、。
そう言って、蒼樹さんは妖精の粉を振り撒いて、帰っていかれた、、。
貴女が足を踏み入れた、この僕の部屋は、なんと清いのだ!そしてこの、マイセンの白磁のカップ、淑女らしく綺麗に口元を懐紙でふきあげて、でもその紅い唇のついた聖なるカップは、永遠のコレクションに、、、。
僕が夢想にひたっていると、悪魔の吉田氏が、
「麹町に親戚か、、!かなりなお嬢様だな、、!頑張って働けよ!平丸!」
「ひいいい!わかってますよ!」
取りあえず、このカップをデスクに置いて眺めながら、仕事をしよう。
今週は。
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