艶やかな秘めごと
□愛しい君
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「ふとした疑問。」
「どうしたんだよ優。」
「弥彦、燕ちゃんとどうなのよ。」
「は、…はぁぁああ?!」
明朝、稽古に付き合わされていた私は眠気をどうにかしようとそんな疑問をぶつけてみた。
「だぁって、最近ちょこちょこここに来るじゃない。」
にやにやしながら聞くと、見事に真っ赤になってもう可愛いったらありゃしない…!!
「お…っお前にゃ関係な」
「ほー…?そんな事言う?」
生意気に突っ掛かってくる弥彦の頭をぐりぐりしながら言うとギブアップを唱える。
早いなおい。
「優、最近剣心が忙しいからって俺で遊ぶな!」
「あら、ばれた?」
「ばれるわ!!」
弥彦の言う通り、この所剣心は色々とばたばたしていてあまり構ってくれない。
だから頻繁に弥彦に会いにくる燕ちゃんが可愛…いや、羨ましい。
「ったく、俺が稽古で構ってやるから我慢しろよ。」
「やだかっこいい弥彦ちゃん、惚れちゃう。」
「弥彦ちゃんはやめろ!いくぞ!」
「はーい。」
こうして何だかんだ付き合わせる私は大人気ないだろうが、気にしたほうが負けだ、なので、思い切り遊んでもらいます。
*****
「はぁぁぁぁーーーっ!!」
「っく、…はぁ…、見様見真似、飛天御剣流、龍鎚閃!!」
「げっ…おまっ、それ卑怯…っ」
決着が中々つかないままかなりの時間が経って、二人とも息が切れていた。
そろそろ勝負を決めようと剣心の十八番を使ったわけなんだけども…
「っわっ、きゃ…っ!!」
受け身が取れず着地失敗、しかも右腕を下敷きにした上、木刀が当たってかなり痛い。
「優っ!!大丈夫か?!」
「いっ…つつ…だいじょ、ぶ…」
やっぱり見様見真似は無理かなぁ、もうちょっとで取得できる気がする。
うん、飛天御剣流、マスターしてみたい。
「薫んとこ行くぞ、立てるか?」
「ありがとう…っと…いだっ…!」
「どうした?」
「あ、足…」
「足?」
弥彦に支えられ、何とか立ち上がったものの、左足に激痛。
「左足くじいてるぅぅぅう…」
あまりにも痛くて弥彦にしがみついてピーピー泣いてると、弥彦があっ…と目を見開いた。
「う…?」
「剣心!ちょーどよかった!優が怪我したんだ、重くて仕方ねぇ、どうにかしてくれ。」
「優が?」
「重くては余計だこの野郎。」
どうやら朝ごはんを作り終えた剣心が私達を呼びに来たらしい。
やけに怖い顔してこっちに向かっていらっしゃるごめんなさい真似しましたもっと上手くなります。
「大丈夫でござるか?!」
「あ、は、はい」
「手当するでござる、弥彦、先に皆で食べているでござるよ。」
「あいよっ」
ひょいっと抱き抱えられてむかうは剣心の部屋。
え、私の部屋じゃないのん?
胴着だし、部屋着ないし、ねぇ。
「二の腕と足首…どんな危ない稽古をしていたのでござるか…」
「いやーちょっくら飛天御剣流を…」
「飛天御剣流を…使ったのでござるか?」
「龍鎚閃だよ、とはいっても私は力もないしスピードもないから威力なんて全くだけど、ちょっと着地に失敗しちゃって…」
部屋に向かいながら怪我の経緯を話すと、呆れた顔をされた。
「あまり無茶な事はしないでほしいでござるよー…力がないとはいえ、優は最初に比べて随分と強くなった、弥彦と張り合えるほどなのでござろう?」
「まぁね。」
「なら飛天御剣流も、相当な威力を持っているでござる。」
「ほんと?!マスター出来るかな…」
「……いや、勘弁するでござる」
苦い顔をした剣心がおかしくて笑うとまた呆れ顔。
そんな会話をしながら部屋について、布団に寝かされる。
あ……剣心の匂いだぁ…
「さ、腕から手当をするから右腕だけ脱ぐでござるー」
「はいはいー…」
寝かせた意味ないっしょ、なんて呟きながら右腕を出して、剣心に見せる、そこは真っ赤に腫れていた
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