ただ君と、甘い幻に浸る
□酒は飲んでも飲まれるな
1ページ/1ページ
「おいおい、誰だよ酒飲ませた奴ぁ。」
「私。」
「じ、嬢ちゃんかよ…」
「だって…お酒好きって聞いたから。」
困ったでござるな。
薫殿は絡み上戸に泣き上戸に笑い上戸(何が何だかわからんでござる。)でござったが…
「あっつーい…」
これは、本当に困った…
暴れない、泣かない笑わない、それは良いのでござるが…
脱がないでいただきたい…
「剣心。」
「何でござるか?」
「けーんしんっ。」
「な、何でござるか?」
「えへへー…」
かっ…可愛いでござるっ…
猫のようにすり寄って…
可愛すぎるでござるーっ!
「お…おろ…」
何故に…拙者の足を跨ぐのでござるか…?
「んー…いいにおいー…」
「っ……」
し、正面から…っ抱きつ…!←幸せ
「あーぁ、ったく…見てらんねぇぜ。」
「私の優がぁぁぁ…」
「嬢ちゃんは嬢ちゃんでまた泣き出すしよぉ…」
「えぐっ…えぐっ…」
「優…殿…」
「……ちゅー、して?」
拙者もう死んでもいいでござる…
至近距離でその様な顔で見つめられたら…
「はやく…剣心…」
「お前らもう部屋帰れ。しっ、しっ。」
「すまん、薫殿を頼む。」
「おうよ。」
とりあえず抱き抱え、部屋に向かうでござる。
「優殿、部屋に着いたでござるよ。」
布団に寝かせて、とりあえず様子を見るでござるが…
その…はだけすぎではござらんか…?
ふ、太ももが見えてるでござるよ…
「剣心も一緒に寝よ?」
……。
………は?
「今…なんと?」
「だから、一緒に…」
「いやいやいや…拙者は…」
「嫌なの…?」
「嫌じゃないでござる。」
はっ…!ついつい本音がでてしまったでござるよ…っ!
でも、こんな笑顔を見せられては…断れないでござるな。
だがしかし…
どうする、俺!どうする?!
「剣心あったかーい…」
あ、っ足が…拙者の足に絡んでくるでござるーっ
ぴったりくっつかれたら…
胸があたるでござるよーっ
「優っ…殿…」
「ん…っん…」
もう…
止まらないでござる…
「ふっ…あ…」
「優…って、え?」
「すー……」
ね、寝てる…?
「優どのぉー…」
拙者、泣きたいでござる…
こんなの…、生殺しでござるよーっ!!
「んっ、朝…?」
「おはよう…で、ござる…」
結局あまり眠れぬまま朝を迎えた…
我慢した故、少しくらい意地悪させて貰うとしよう。
「あれ?なんで剣心が?」
「ひどいでござるな、昨夜はあんなに乱れていたのに…」
「え?え?」
驚いてるでござるな…
ふふっ、可愛いでござるー…
「拙者をあんなに求めて…」
「ちょっ…!え?!」
「気持ちよく…」
「いやーっ!」
「寝ていたのに…」
「いやー!…え?」
「おや?拙者は、昨晩優殿は飲み過ぎて服が乱れ、ひっついて離れなかった、と言ったのでござるが…何か別のことだと思ったのでござるか?」
成功でござるな!
見る見るうちに真っ赤になっていく優殿、からかいがいがあるでござるよー。
「っっ…けぇ〜ん〜し〜ん〜?」
「おろ…」
「いい加減離れろぉぉーっ!!」
「嫌でござる。昨日は見事にお預けを食らったから…今日は我慢できないでござるよ?」
じたばた暴れる優殿を抑えて…
さて、まだ朝の支度には早い時間でござるから、いただくでござる。
end