ただ君と、甘い幻に浸る

□冬の寒さを君と
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ふと目がさめると、いつもと違う布団の感触に違和感を覚えた。

「あ、…れ?」


私が使ってる布団、こんなだっけ…?
それに…剣心の匂いが、…え?!

「えぇぇえぇぇ?!!」

「っな、なんでござるか?!」


驚いて奇声を発した私に驚いて剣心が声をかけてくる。

「なんで私剣心の部屋にいるの?!」

後ろから抱き着かれる形で寝ていた私、抱き着いていた剣心。
そりゃ、前日に甘いこと(別にやらしいことじゃないよ?!)してたら私だって驚かない。
だけど昨日は、普通に寝たよね…?もちろん自分の部屋で!

「それは…」

「それは?」

「拙者が、一緒に寝ようと誘ったら、寝ぼけていた優が頷いたからでござる。」

「何やってんの…夜中の私…」

「このようにして、連れてきたのでござるよ。」

「っ…わ、」

座った剣心の足の上に乗せられて、びっくりしてしがみつく。
嬉しそうにされて、顔が熱い。


「やはり冬は一人より二人、暖かいでござるよ。」

「そりゃ…そうだけど…」

「おろ?駄目でござるか?」

さらに小声で、寒いでござるな、何て言いながら擦り寄る剣心。
朝から熱い…顔が…

「じゃあ、今日から剣心の部屋で寝る…」

剣心の余裕をなくしてみたくて、そんなことを言ってみたんだけど、どうやら剣心にそれは効かないみたいで…

「良いのでござるか?」

「え…?」

色気を含んだ声に上を向けば視界は緋色の髪でいっぱいになった。

朝から剣心は何を考えてるの!って怒ったのは、優しい口づけが終わったあと。











それから。

「駄目よ。」

「おろ…」

薫ちゃんにばっさり切られて、剣心と同じ部屋での就寝はなくなりました。

「剣心なんか何するかわからないんだから。」

あらら、ひどい言われようだね!
がんばれ剣心!





End

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