ただ君と、甘い幻に浸る
□だーいすき!
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「優ー?」
朝、いつものように優を起こしに部屋に行くと、既に着替え終わっている優がいた。
「ちょ、着替えてる最中だったらどーすんの!」
「あはは、すまんでござるよ。」
「ござるよ、じゃないよっ、全く。薫ちゃんに言っちゃうからね!」
「妹の裸くらいで、騒いだりしないでござ」
「かーおるちゃぁぁーん!!お兄ちゃんがーぁぁ!!」
「ちょっ、優?!」
また、いつもの朝が始まる。
「毎日毎日毎日毎日!!」
「ま、まぁ落ち着けって、優。」
「やっくんは黙ってて!」
「は、はい!つぅか弥彦ってよんで」
「なに?」
「な、なんでもないです。」
やれやれ、大人になっても相変わらずでござるなぁ。
そこが可愛いのでござるが、ちと…毎朝なのは勘弁でござるよ。
「優ちゃん、剣心はただのお節介なんだから気にしなくていいのよ?可愛くて仕方ないのよ。」
「薫ちゃん…前半と後半に差があるよ。」
「うふふっ」
ご飯をもぐもぐしながら周りの会話を聞く。
これも拙者の毎朝の日課になっていた。
確かにわざわざ毎朝行かなくても、とは思うが、反応が可愛くて仕方ないでござる。
逐一反発するところや、頬を膨らませて拙者を睨むところ、怒りながらも近寄ってくるところ、上げればキリがないでござる!
とにかく可愛いのでござるよ!
「剣心がにやけてんぜ、薫。」
「あら、ほんとだ。」
「お兄ちゃん変態なの?」
……こ、こんなところも、可愛い…で、ござ、る…
はぁ…
「お兄ちゃん。」
「ん?」
「ご飯粒ついてる。」
へこんでいたら急に手が伸びてきて、口元に触れる。
何だかんだ言って、優はいい子なのでござるが…
「それは恋人がすることよ、優ちゃん。」
「大丈夫、将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんだったから。」
「そーゆう問題か?!」
「問題ない。」
未だに拙者のお嫁さんになりたいというのが、一番可愛い。
意味わからないとか言わないでござるよ。
「ふふーっ、お兄ちゃんは、私の旦那さんだもんね!」
あぁもう可愛い…!
「仕方ないでござるなぁ。」
「うっわぁ…妹にべた甘だよ…」
「あんな大人になっちゃダメよ、弥彦。」
「わかってらぁ…」
「お兄ちゃん、だーいすき!」
機嫌が直ってよかったでござる。
あと可愛い…
end
ただ剣心が変態な話になってしまった←