葩、紅に燃ゆ
□失望
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バンッ！！！
そんな音を立てて勢い良く扉が開いた
んでもって現れた銀髪・翠眼の少年が叫ぶ
「雲雀っ！いってーなんの用だ！」
おーおー粋がいいねこいつ
でも、あれ？沢田綱吉って日本人じゃなかったっけ？
ちゅーかあの顔どこかで……
「君に用はないよ。獄寺隼人。用があるのは沢田綱吉だけだ」
その名前も聞いたことあるぞ
獄寺隼人
確か確か……あ、思い出した
『あぁ……獄寺隼人ね』
私の呟きはこの場の全員にも聞こえたらしい
一気に注目が私に向いた
「何？紅音、獄寺隼人も知ってるの？」
「あぁ？誰だこの女。なんで俺のこと……」
獄寺隼人が私を睨む
知ってるも何も君、それなりに名が知れてるでょ？
"悪童スモーキン・ボム"
確か懸賞金５０万
一応日本に出入りしてるヒットマンは一通り覚えてきたけどいきなり会うとはね
「雲雀ーその子誰だ？髪色真っ赤なのなー」
なのな？そんな日本語あったっけ？
てか何だ君、ヘラヘラしててむかつくな
でもこの人はちゃんとした日本人だし
じゃあ……この人が？
「君にこの子を紹介する気はないよ。山本武」
山本……またもや別人か
てことは最後の一人が沢田綱吉かな
ハッキリ言ってその二人が前に立ってて見えないんだ
背が小さくてツンツンした茶髪なら見えるけどなー
「ひ、雲雀さん……俺になんの用ですか？」
そして、その人はやけにビクビクした様子で二人の間を割って出てきた
思わず、唖然と固まる
ほえ……？ι
「紅音、コレが"沢田綱吉"だよ」
……なんだね恭弥くん
私は沢田綱吉を見せてくれと頼んだのだよ？
5000万の男を見せてくれと頼んだのだよ？
なのに……何この弱そうな人
コレがドン・ボンゴレ？
ありえないありえない
だってこの人……絶対弱い
『Giapponese scherza……？ι(ジャバニーズジョーク…？ι)』
「僕を疑うのかい？」
『……いえ』
そーいやさっき、恭弥の奴
沢田綱吉と間違えられて"失礼"だとか言ってたよね
それに草食動物とも
あれはベジタリアンってわけでも
草食系男子ってわけでもなく
草食動物並みに弱いってこと！？
や、でも草食動物＝弱いは間違ってる
草食動物は団体でなら肉食動物だって倒せる
……団体でなら
「？、雲雀さん……俺に用があるんじゃ…」
そんな感じで頭を悩ませてると
恭弥がいう"沢田綱吉"が問うた
恭弥は冷めた表情で答える
「僕が君に用なんてあるわけがないよ」
「ガーン)……じゃあ一体」
「この子が君を見てみたいって言うからね」
「……、君…誰？」
首を傾げながら不安げな目で私を見る
……なんだか可愛いぞ
でも、とりあえずショックが大きすぎて頭回んない
コレが……今回のターゲット。萎えたわ
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