葩、紅に燃ゆ

□邂逅
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「ディーノ君紅音ちゃん、お茶どうぞ」

「ママン、サンキュー」

『ありがとうございます』






私は今、ディーノ曰わく"ママン"から

おそらく湯呑みとかいうやつで、おそらく緑茶というものを戴いた


うん、美味しい

今度スーリオの店にでも置いてもらおう

勿論私が淹れるけど






さてさて改めましょうか






私は今ディーノの弟弟子である"ツナ"の家

"沢田"家にお邪魔しております

勿論もう自己紹介は終え済み






『ディーノの昔馴染みの紅音と申します』






とね。まぁそんなことはどうでもいい

ここが沢田綱吉の家で間違いなければなんでもね






ちなみに今お茶を出してくれたのはその母親の奈々さん

可愛らしい人だ


調べた情報によるとここの大黒柱はかの有名な沢田家光らしい

よくもまぁあんながさつそうなオヤジ様に嫁いだもんだよ勿体無い

というのが奈々さんの第一印象だったり






そして次に私の目に入るのは……、






「ママン、おかわり」






黒いスーツに身を包んだ赤ん坊

胸の黄色いおしゃぶり

こいつを知らない奴は裏社会にまず居ないだろう

居たとして私はそいつを裏の人間とは認めない






「そうだ、まだ紅音に紹介してなかったな。この人が俺の恩師の……」

『最強の赤ん坊(アルコバレーノ)……リボーン』

「!!」

「よく知ってたな」

『常識だよそのくらい。仮にもヒットマンだし』






つーかヒットマン狩りだけど

因みにこいつの首の賞金額は一生遊んで暮らせる以上の高額

実を云うと"いつか殺りたいリスト"の中の1人だったりする


こんなとこでこんな強豪と会えるとはな

重畳に存ずるよ






「にしても……」






でも、それは突然だった

リボーンが私に向けて口を開く






「お前が黎の妹か?聞いてたのより大分ちげーな」

『……は?』






黎黎黎、黎兄様?

なんでこいつが兄様を知っている

聞いてたのってどういう意味だ

どういった経緯でこいつと兄様が繋がるんだ






「実はな、リボーンは俺達があのマフィア学校に居た時の家庭教師だったんだ」






その時、ディーノは相変わらずのヘラッヘラ顔で言った






「俺達あの学校でもいつも一緒でな。だから必然的にリボーンも黎と面識があるんだ」

『あぁ……なるほど。ならその節は兄様がお世話になりました』

「黎も黎で気弱な奴だったからな。2人揃ってダメダメコンビだったぞ」

『……へぇ』






こーやって兄様の話を聞くのは初めてかも

まぁ私から見ても兄様って気弱な人ではあった気がする
(のくせに強い)






「おいリボーン、黎の話は……」






するとディーノ、今度は軽く焦ったような顔してそう言った

チラチラ私を見ながら


あぁ、死んだ家族の話を聞いて私が悲しむとでも思ってるのか

……アホじゃなかろうか






『私に気を使わなくていいよ。未練なんてものも無いしね』

「お前さ……さっきも思ったけど、悲しくないのか?」






ディーノが少し怪訝した目で訊いてきた


悲しい?

哀しい、かなしい、カナシイ

何だっけそれ






『クス……さぁ?忘れちゃった』






そんな感情、とっくに棄てたよ




















『それよりディーノの弟弟子は?自慢の弟分だって熱弁されたから気になってんだけど』






とまぁ嘘八百

いや、熱弁されたのは事実だけど

そんなん聞かされたって興味も何も湧かない


私が興味持ってんのは、5000万も掛けられるその実力だけだ






「ツナならまだ学校だぞ。なんなら遊びに行くか?」

『へー。学校行ってんだ。そういや私と同じ歳だっけ』

「行こうぜ紅音。お前学校とか行ったことねぇだろ?」






そういや……そうだな

私、学校とか行ったことないんだ

勉強は屋敷でやってたし、いつも屋敷の中で……


て、やめよ。なに懐古に浸ってんだ

……アホらし






『なら頼む』






私がそう言うとリボーンはニッと笑った


……なんか企んでんな

そんな感じの笑い

まぁ乗ってみるのも悪くないか

そういうイベントは嫌いじゃないし






「じゃ行くか」






ディーノのその台詞でリボーンがディーノの肩に乗る

そして私達は学校に向かった















クス、やっと拝むことが出来るね

沢田綱吉

どの程度強いんだろ?楽しみー♪


私の心の中はまた弾んでた






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