Short

□キッカケ
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『ぎゃあぁあぁっー!!!』






信じらんないっ!!

本当にもう、何でこの世界に虫なんていう生き物が存在してるんだ!!

何より‥‥






『く、蜘蛛なんて以ての外だー!!!』






自転車をこぎながら叫ぶ私

すれ違う人の痛い視線なんか気にもならないくらい混乱してた


‥‥私のキャサリンは、蜘蛛にその身を汚されていた















夜、バイトが終わって早く帰りたいが為に無造作に相棒のキャサリンに跨がった

そしてこぎ出してすぐに違和感に気付く






『(手に何か絡まってる?)』






私はてっきり手首に巻いてある、さっきまで髪をまとめてたシュシュについた髪の毛だと思って手首を振った

でも‥‥その糸のようなものは離れない。むしろ余計絡みついてきた気がした


その瞬間、血の気が下がる

嫌な予感がしたのだ‥‥つか嫌な気配がした






知ってますか全国の皆さん!!

虫嫌い、特に蜘蛛嫌いの人って本当に‥‥本当にあいつらの気配感じるんです!!






私は迷うことなく自転車の籠の一点を睨んだ

そして暗闇の中、私は一瞬で奴を見つけたのだった

‥‥しかも






『でかっ!!きもっ!!』






軽く1pは超えてる大きさの蜘蛛だった















作戦その1、叩いて落としてさよならバイバイ


自転車をこぎながらバッグで籠を叩く

‥‥でも奴は落ちてくれませんでした






作戦その2、水をぶっかけさよならバイバイ


近くのコンビニで78円のペットボトル水を買ってかけてみた

‥‥でも蜘蛛って水に強いらしい
(ちなみにコーヒーをかけたら酔っぱらうらしいよ!!)






作戦その3、キャサリンを蹴ってさよならバイバイ


ガンガンとずっとずっとキャサリンを蹴り続けた

‥‥それでも奴は落ちないし、相棒を蹴ってしまって自己嫌悪になるだけだった






作戦その4、母親の携帯に電話


キャサリンに乗れなくて帰れないと叫んだ

母親はキャサリン置いて帰って来たら?と答えたけど‥‥

‥‥そんなことしたら一晩であっという間に奴の住居完成するわっ!!






作戦その5、奴が立ち去るのを待つ

しばらく母親と電話で話しながら奴の行動を監視した

‥‥結局のとこ、壊れたハンベルの中に納まって休み始めてた















『ふーざーけーるーなぁ!!!』

「「「煤I?」」」






もはや人目とか本当にどうでもよかった

帰りたいのに自転車に乗れない!!

奴を払おうにも怖くて何も手出し出来な
い!!


だ、誰か助けて〜〜(m´Д`)m


と本気で切実に真剣に願った私。その時だった






「なぁおい」

『?、‥‥うはっ///!?』






後ろから誰かに声をかけられた

勢いよく振り返ると、ダンボール(の中に林檎)を持った銀髪のイケメンがそこにいた






ほ、本当にかっこいい!!

イケメン過ぎんだろ君!

ヤバい、一目惚れしそう!!

てゆーかしちゃったーっ///!!






「突然で悪ぃけどあんた金持ってる?」

『はい!!持ってます!!』

「煤d‥(なんかやたら声でけぇしテンション高ぇし、やけに目が‥‥キラキラι)」






あ、今若干引いたような顔された

でも本当の本当にそんなことはどうでもいいんだ!

私はこのチャンスを逃したりしない!!






「(ま、いっか‥‥)ならちょうどいい、この林檎買え」

『はい!!買います!!』

「買}ジで!!(普通即答しねぇだろ。値段聞けよその前に)」

『マジです!真剣と書いてマジです』

「マジ恋かっ!!(今更だがこの女頭可笑しい‥‥声をかける相手間違えた)」






ふっふっふっ、実は今日給料日だったりするんです

お財布は十分満たされているのです

あなたにいくら貢ごうが構まないのです!!

‥‥その代わり






『その代わり、私と付き合ってください』

「狽ヘーっ///!?」

『っと失礼噛みました。私のお願いきいてもらえますか?聞いてくれますよね!?』

「狽ネっ、(何なんだこの女・・・・!!)」

『この‥‥』

「(しかも承諾してねぇのに語り出した!)‥‥この?」















『この蜘蛛を取り払ってください!!』

「‥‥、はぁ?」















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