大地の翼V

□幸せ
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『突然でごめんなさい。放課後、体育館裏で待ってます・・・・はーと。だとよ少年』

「ばっ!読み上げんなチビ!!」

『なんでよ。あんたが捨てたゴミを私が拾ったんだからどーしよーと私の勝手、でしょ?』

「・・・・・・・・ι(殺し屋の目ーっ)」















それは朝のことだった






いつも通りツナと3人で登校して来た我ら

ただ下駄箱を開けた瞬間隼人が固まった

そして手のひらで小さくクシャッと音を立てて何かをポケットに隠した






あー、いわゆるラブレターとゆーやつですねアレは






わかりやすい私の彼氏様は教室に着いた途端ソレをゴミ箱に捨てたけど

私がそれを拾った

いいからかい道具である♪






『とりあえず行ってあげなよ。カワイソーじゃん』

「てめーだったら来て断られんのとシカトされんのとどっちがいいんだよ」

『どっちも嫌かもねー』

「かもねって、あんなぁ」






だってそんなこと言われてもさ






『経験ないし?』

「お前、本っ当性格悪ぃな」

『それほどでもー』






それにしても隼人は本当によく貰うよな、ラブレター

どこがいいんだこんな男の

渡す女子の気が知れない






「(とか思ってんだろうな、マヨってば彼女なのに)」

『何か言った?ツナ』

「なな、何も!!」






側に居たツナからじとーと視線を感じたから聞いてみたけど

焦ったよーな表情で否定した

何か失礼なことでも考えてたに違いない


まぁそれはさておき






『行ってきなよ、楽しい報告待ってるからさ』

「「(悪女だ・・・・)」」
















キーンコーンカーンコーン・・・・















そんなこんなで私らは1限目を迎えた






『?・・・・』






でも1限目の途中だった

机の中から変な封筒が出現した

男っぽい筆跡で"沢田さんへ"と書かれてある






『(んじゃコレは・・・・)』






こっそりと封筒を開き中の手紙を黙読する

その内容は・・・・










"突然ですみません。1年の頃から沢田さんの事が好きでした。

放課後中庭で待ってます。

沢田さんの彼氏、怖いのでなるべくバレないように来て欲しいです。"










・・・・えι、これはまさかさー






「てめぇも貰ったのかよ、ラブレター」

『櫨・・・』






ハッと頭を起こすと前の席の隼人がこっちを向いてた

しかも手紙も取り上げられる






「俺が怖ぇからバレないようにだと。まぁ知らなかったことにしといてやるから行ってこいよ」

『は?誰が行くもんか大儀ぃ』






そー言うと嫌みったらしー顔をする






「カワイソーだろ?」

『・・・・、隼人なら来て断られんのとシカトされんのどっちがいーわけ?」






ふとさっきの会話を思い出した

たぶんこの男は・・・・






「どっちも嫌だな、まぁ経験ねぇけど?」

『性格悪いのどっちだよ』

「お互い様だろ」

『・・・・・・・・。』






朝、隼人をからかったことを後悔した私だった






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