大地の翼T

□VS.γ
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「やはり笹川の妹はまだ捕まっていないようだ」

「本当ですか!?よかったー!!」

『でも・・・・このキツい監視の中見つからないって、京子いったい』






どこ行っちゃったの・・・・?

























隼人達と別れて外に飛び出して一目散に京子の家に向かった

もちろんウジャウジャいるミルフィオーレ連中の目を盗んでだ

そんなお陰で自由に動けないしヘタに京子の気配さえ辿れない






とりあえず今私らは並盛公園に身を潜めてる

だけどいつまでもこんなとこにいるわけにはいかないのが現状だ






──バチバチ






『?』

「!、隠れろ!」






何の音・・・・?






突然、上空からそんな音がして見上げると・・・・

すぐさまラルさんがローブの中に私とツナと自身を隠した

ちょうど背にしてる木の上でバババババって電気のよーな激しい音と

それとやっぱり電気のよーな緑色の閃光


そして黒い、ブラックスペルの戦闘服を着た金髪の男が目に入った










・・・・──ゾク










『・・・・!?』

「マヨ?」





何だ・・・・アレ

無意識に目を瞠ったまま視線を落とす

しかも、可笑しいな・・・・体が無駄に震えてる

・・・・嫌になるほど容易く、一瞬で理解出来た


アレは・・・・




















強い




















「γだ!!」

「あ・・・・あれが!?」

『・・・・・・・・。』






そのγって奴・・・・隊長とかって言ってなかったっけ?

・・・・笑えないわ






それにしてもあいつ、やたら迷うことなく直進してたな

どこかに向かってる?

あの方向って何かあったっ・・・・










『!!』










ドクン、と胸の奥が鳴った

背筋が恐ろしく凍る










嘘、だろ・・・・










奴が完全に去ったのを確認してから立ち上がって行った先を見据えた

まさか、でもあの方向にあるのって・・・・






『ねぇラルさん・・・・』

「・・・・何だ」






独り言のよーに、呟く






『神社、行ってきてもいーかな』

「え!マヨ何言ってるの!?」

「・・・・・・・・。」






いまだ奴が向かった先を睨みながら

そしてラルさんは・・・・何も答えなかった

たぶんこの人も気付いてる、この様子だと

奴が向かった先がどこなのか

それならそれで話が早い






『今のγって奴が向かったの、たぶん神社だ』

「獄寺君と山本の所に!?」

「・・・・そうだな、あの方向には神社以外主要な施設はない」






確実に2人の下に向かったとは限らないけど

でもこれはさすがにタイミングが良過ぎる






「・・・・だが」

『・・・・!?』






だが、?






そー続けてラルさんは、静かに答えた

ガシッ──と、痛い程強く・・・・






「お前のその意見は聞けない」

『・・・・っ』










私の肩を捕まえて










『なんっ、で・・・・!?』






思い切りその手を払って睨みつけてやれば

その冷静な視線に見返されて少し、強張った






「今は笹川の妹を探し出すのが先決だ」

『そーだけど!でも現状わかってんでしょ!?』






こんなに敵の目が多くちゃ行動に限界がある

だったら今ここに居るのが3人だろーと2人だろーと関係ないじゃ・・・・






「それはお前が神社に行っても同じことだろう」

『っ!!』

「お前なら理解出来たはずだ」




















「例えマヨがかけつけても・・・・勝ち目なんて、ない」

『・・・・・・・・。』




















そーさ、理解出来たよ。アレは強い、・・・・強すぎる

今までだってあーゆーのは何度も見てきたけど

あいつは今までの奴らよりも圧倒的に・・・・違う


だってまだ、震えてる






『でも、このままじゃ・・・・』






俯いて、唇を噛みしめた






勝つことは・・・・正直絶対に無理だ

でも逃げ道を作ることくらい・・・・いや

それすら出来る自信も、ない

末路は・・・・どー転んでも最悪だ










・・・・自分の無力さに腹が立つ










「まだ奴が神社に向かったって決まったわけじゃないんだ。それよりまずは笹川の妹だ」

『・・・・わかったよ』

「マヨ・・・・」






視線を落としたまま、言葉を繋いだ






やるせない。どーしたらいーだろ

この、行き場を失った・・・・不安感






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