大地の翼T
□ふたりの時間
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「山本!後・・・・頼むぞ」
獄寺は私を離すと、ぐっと山本の胸ぐらを掴んで呟いた
獄寺が・・・・山本にそんなことを言うなんて
「ん?」て山本が聞き直す
すると焦ったよーに気恥ずかしそーに、言った
「お、俺だってお前なんかに頼みたかねぇんだよ。よりにもよってお前なんかに!」
「わーってるって」
ニコッて山本が笑みを浮かべる
それを見て安心したのか・・・・、ふら
『!、ちょ・・・・バカ』
「獄寺君!」
「おいムチャすんなよ!」
崩れるよーにして倒れ込んだ
とっさにそれを抱き止めると後ろから首に腕を巻き付けて抱きすくめるよーな形になってしまった
・・・・なんだ、この状態。恥ず・・・・///
「なっ///は、離せ!」
腕の中のこいつもそーとー恥ずかしいらしー
耳まで真っ赤にして抜け出そーとする
でも私は・・・・さらにギュッと強く抱き締めた
『大人しく・・・・して///』
「っ!!///」
わ、私だって恥ずかしーんだよっ!!
でも獄寺は怪我人なん、だから
それに・・・・それに・・・・離したく、なかった
みんなの・・・・視線が痛いです
「この勝負の勝者はベルフェゴールとします」
でもすぐにその台詞でみんなの注目が移った
そしてチェルベッロがいた。その向こうに、・・・・ヴァリアー連中も
「ゔお゙ぉい、笑える結末だったなぁ。これでいよいよ貴様らの命は風前の灯だぁ」
「それに未だ君達の霧と雲のリングの保持者は現れないじゃないか。出場者がいなくて不戦勝なんてオチじゃないだろうな」
「《そういや雲雀さんも霧の人もいつになったら・・・・》」
ロン毛にマーモン
2人に言われて不安げに思うツナ
霧・・・・クロームは黒曜で修業中
雲雀は今どーしてるか知らないけど2人共不戦勝の心配はない
「それでは次の対戦カードを発表します」
そしてチェルベッロがそー言ってみんながじっと見つめた
ツナは後ろを振り返って叫んぶ
「どうすんだよリボーン!霧か雲の対決だったら」
「心配すんな。着々と揃ってきてるぞ」
「明晩の勝負は・・・・」
そして私も・・・・ドクン、ドクン、ドクン
無性に鼓動が高鳴る
嫌な汗が流れて、小刻みに震えてた
なんでこー・・・・チェルベッロのコレはこんなに、精神すり減らされるかな
キリキリと不安が募る
・・・・でもその時だった
『!』
獄寺が私の手を握ってくれた
小さな声で呟く
「大、丈夫だ」
『・・・・うん』
たったその一言で、私の心はどれだけ救われるんだろ
震えが収まって、心が・・・・ポカポカしてくる
不安は消えないけど、安心感が増した
「雨の守護者の勝負です」
チェルベッロの声が木霊する
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