その他
□You
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
ーあなたは今どこで何をしていますか？この空の続く場所にいますか？
光は授業、彗は仕事で竜と双子たちは昼寝
温室にただ一人残された明は自分用のソファで
体育座りをしてうずくまっている
すると突然顔を上げて叫ぶ
「ったく〜〜！！宙の奴、どこで何やってんのよ！
メールで『旅行って来る』って･･･！
ちゃんと内容書きなさいよね！！あの馬鹿･･･」
しかしどんどん小さくなる声
「じゃないと･･･心臓もたないじゃない･･･」
事故にあってないか、ちゃんと食べてるのか、
心配で心配でたまらなくなってしまう
事故ったりしてないわよねぇ･･･想像しただけでも吐き気がする
ー今まで私の心を埋めていたモノ
失って初めて気づいた
こんなにも私を支えてくれていたこと
こんなにも笑顔をくれていたこと
宙がそばにいてくれないだけでこんなにも辛いだなんて
離れてみなくちゃ分からないことって
本当にあるのね･･･
宙の笑顔が私の支えになってるんだわ･･･
ー失ってしまった代償はとてつもなく大きすぎて
取り戻そうと必死に手を伸ばしてもがくけれど
まるで風のようにすり抜けて届きそうで届かない
いつもの楽しいティータイム
毎日の日課なのに、たった1日失ってしまっただけで辛い
無意識に手を伸ばす
宙に触れたいと思う一心で
（届いて･･･届け･･･届いてよ！！）
そう思いながらもがく私
なんて格好悪い
手は空をつかむだけで一つも感触がない
ー孤独と絶望に胸を締め付けられ
心が壊れそうになるけれど
思い出に残るあなたの笑顔が 私をいつも励ましてくれる
胸がぎゅうっと締め付けられたように痛い
心が押しつぶされてしまう感じがする
スッと目を閉じて宙の笑顔を思い出すと少しだけ心が軽くなった
ーもう一度あの頃に戻ろう 今度はきっと大丈夫
いつもそばで笑っていよう あなたのすぐそばで･･･
宙が帰ってきたら笑顔で迎えよう
大丈夫
彼の大切さ、よく分かったから
つまらないことで怒って喧嘩するのなんて嫌
あなたのすぐそばで笑っていたい･･･
ーあなたは今どこで何をしていますか？
この空の続く場所にいますか？
いつものように笑顔でいてくれますか？
今はただそれを願い続ける
どこで何をしていようが、
あなたがずっと笑ってくれていればいい･･･
そんなことを願いながら、私は彼を待つ
END
→あとがき