カードが導く未来

□TURN2
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新たな舞台



新たな生活、出会い



それは、新しい伝説の始まり




TURN2
「フレイム・ウィングマン」




試験デュエルから数日後、桜の元にアカデミアから合格通知が届いた


準備や挨拶などに大忙しの日々はあっという間に過ぎ、桜は現在、アカデミア新入生を乗せたヘリコプターの中にいた




[桜、いよいよね]


『えぇ、そうね…』




ガールの言葉に答える桜だが、その顔はどこか上の空だった




[……寂しいの?]


『え?』


[顔に書いてあるもの]




ガールに指摘され、慌てて頬を押さえる桜




『いつまでも遊戯達に頼っていたら駄目なんだって分かってるんだけど…離れるとよく分かるんだよね、私にとって遊戯達がどれだけ心の支えになっていたか』




桜は窓の外の海を見つめた


デュエルアカデミアは、太平洋の孤島に設立された全寮制の学校である


そこに向かうため、ヘリは海の上を進行中


来た方向を振り返っても、ついさっきまで大切な仲間達と過ごしていた故郷は、水平線に隠れて見えなくなっていた




[クリクリ〜!]


『クリちゃん?』




現れたクリボーは桜に擦り寄ったりして、必死に何かを伝えようとしている




『自分達は桜とずっと一緒にいるから、元気出して…え?』




クリボーの言葉を聞き、桜は少し目を見開く



[私達は遊戯に比べて足りないところがあるかもしれないけど、桜を大切に想う気持ちなら負けないわ!だから私達にも、もっと頼っていいのよ?]



ガールの言葉に、桜の顔に自然と笑みが浮かんできていた




『そうだね…私は一人じゃないよね。ガールにクリちゃん、それにデッキのみんな…』




桜はデッキケースを見つめる




『遊戯達とも、二度と会えないわけじゃないし…自分で決めたんだもん!頑張ろう!一緒に頑張ってくれる?』


[もちろん!]


[クリ〜!]




元気を取り戻した桜に、ガールとクリボーも笑顔で頷いた










「見えてきたぞ〜!」




しばらくして聞こえた声に反応し、次々と視線を窓の外に向ける新入生たち


桜も窓から外を見ると、大きな火山がある島が見えてきた


校舎や寮らしき建物の他に、湖も見える




[あれがアカデミア島?]


[クリクリ?]


『えぇ。あの一番大きな建物が、これから私たちが3年間通う学園・デュエルアカデミアよ』




学園での新たな生活が、始まろうとしていた






――――――――――――
―――――――――




制服が配られ、着替える




『どうかな?』


[似合う似合う!可愛いわよ!]


[クリ〜♪]




新しい制服に着替えた桜を、ガールとクリボーが褒める



お礼を言うと、召集をかけられている場所へと急ぐ



新入生が教室の巨大モニターの前に整列している




<ようこそ!デュエルエリートの諸君>




モニターに映ったのは、穏やか雰囲気が印象的な校長・鮫島だった




<諸君は狭き門を実力で開いてやって来てくれました。未来のデュエルキングを夢見て、楽しく勉強してください>


「ZZZ…(カクン…カクン…)」




校長の挨拶を皆が聞いている中、睡魔に負けそうな新入生が1人いた



入学試験で実技担当最高責任者であるクロノス教諭を倒し、入学を勝ち取った男・遊城十代だった



十代の隣にいる桜は思わず苦笑いを漏らした




『(緊張感がないと言うか…マイペースなんだなぁ。入学早々怒られないといいけど…)』




桜がモニターに視線を戻すと、肩に重みがかかった


隣を向くと、十代がもたれ掛かっているではないか




『(わっ!?///)』




あまりにも近い距離に、桜は思わずドキドキしてしまう




『(え、ちょっ…!?///十代くん、起きてよ!)』




起こすことを試みる桜の努力も虚しく、十代は、校長の話が終わるまで桜に無防備な寝顔を見せていた




[ちょっと!寝ていたかと思えば桜に!離れなさい!!]


[クリ〜…]




それを、長年共にいるクリボーでさえも引いてしまうほど怒っているガールがいることにも気付かず…
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