カードが導く未来

□TURN2
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「わりぃ桜!ホントごめん!」




入学式終了後、いつの間にか桜の肩にもたれて寝ていた十代は、桜に謝罪していた




『いいわよ。ちょっと驚いただけだから…』


「そうか?でも本当に悪かったな」




反省の態度を見せる十代に、桜は笑顔で許した




[私は納得しないわよ!不真面目な上に、なんてデリカシーのない!]


『…ガール』




十代のことがよほど気に入らないのか、ガールはプンプンと怒っている


桜はそんなガールを制し、十代と翔と共に外に向かって歩く




「でも十代くん気をつけた方がいいよ。桜さんにもたれて寝ていたから、他の人達からだいぶ睨まれていたよ」


「そうなのか?」


「だって月坂桜さんだよ?デュエルクイーンの!全デュエリストの憧れの!!その桜さんにもたれて寝れるなんて、恋人でもない限り無理だよ〜」




桜について熱弁する翔


桜は苦笑いしながら2人を見る




『私はそんなに大したことないよ。それから、私のことをデュエルクイーンではなく、普通の同級生として接してくれないかな?』


「ん?何でだ?」




桜からのお願いに、十代と翔は頭に?を浮かべる




『あまり、特別扱いされたくなくて…伝説の称号によって、みんな私に近寄りがたく感じるみたいなの。でも2人、特に十代くんは私に親しげに話してくれたよね?2人は、アカデミアでの最初の友だちなの。だから、上下なんて関係なしに、仲良くしたいの』




桜の話を2人は静かに聞いていたが、十代はニッと笑って桜を見る




「難しいことはよく分かんねぇけど、要は1人のデュエリストとして見て欲しいってことだろ?」


『う、うん…』




難しいことは分からないと言いながらも、十代は大切なことは理解していた




「んなの簡単じゃねぇか!デュエリストに上下はない!友だちとして、これからよろしくな、桜!」




十代は明るい笑顔を向け、桜に握手を求める




『うん!よろしくね!』




十代につられて桜も笑顔になり、握手を交わす


そして桜は、翔に目を向け、手を差し出す




「翔くんも、よろしくね」


「は、はい!///(桜さんと握手出来るなんて、夢のようだ〜)」




翔は、桜と握手しながら幸せを噛み締めていた




「ところで、この後どうするんだっけ?」


「寮に行くみたいだよ?」


『地図がPDA(生徒手帳)にあるから、見てみない?』




3人は学園前の石碑に座り、PDAを開く



ピンポンパンポ〜ン♪



〈新入生の月坂さん。〉



突然アナウンスで名前を呼ばれ、桜はPDAから顔を上げる




〈お話があるので、校長室に来てください。繰り返します…〉




『(校長室?話って、何かな?…)ごめんね、2人とも。校長室に呼ばれたから行ってくるね』




呼び出されることを疑問に思いつつ、桜は十代と翔に声をかける


「校長室に?桜、何かしたのか?」


『えっ!?そんな覚えないんだけど…』


[失礼ね!桜が問題起こすわけないでしょ!]


[クリクリ〜!!]




十代の言葉に桜は首を傾げるが、ガールとクリボーは怒りに燃えていた



『とにかく行ってみるわ。2人は先に寮に行って』




桜は校舎へ向かおうとするが、誰かに手を掴まれる


振り返ると、手を握ったのは十代であった




『えっ?ど、どうしたの?///』




遊戯以外の異性と手を繋いだ経験がほとんどない桜は、少し赤面して十代を見る




「せっかくだからさ、後で校舎の中探検しようぜ?」


『探検?確かに、新しい場所はあちこち気になるから、いいかもね』


「んじゃ、PDAのアドレス交換しようぜ?」




PDAは生徒手帳でもあるが、カレンダーやミニデュエル機能、さらに自分の顔を映して送るメールもできるのだ


十代と桜は、お互いのアドレスを交換した




「んじゃ、後でメールするな」


『うん、分かった。じゃあ2人とも、また後でね!』


「あぁ!」


「行ってらっしゃい」




十代と翔と別れ、桜は校長室へと向かった
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