小説3

□2人の馬鹿な大人
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朝、高杉は太陽の陽射しに合わせて起きた。いつも起きるのは基本桂が先なのだが、今日は偶々高杉が先に目を覚ました。
桂に起きてもらおうと腰に手をやるがあることを思いつく。折角先に起きたのだから、何かこんなときにしか出来ない悪戯でもしてやろう、と。



「何してやろうか・・・」



起きない内に素早く出来ることを考える。だが出来ないことなど限りられており、アレしか思い浮かばない。高杉は行動に移すことにした。部屋からマジックを探し出す。



「お、あったあった。起きんなよ・・・」



高杉がしようとしていることは、マジックで桂の顔面に文字や絵を書いたりすること。典型的な悪戯だ。高杉は容赦なくぐっすり眠っている桂の額に「肉」と書いた。



「ぷっ。くく・・・っ!ははっ・・・!」



桂の顔は肉1つですっかり間抜けた寝顔へとなっている。高杉は堪えきれず声に出して笑った。ツボに入って笑いを止めることが出来ない。すると桂は煩かったのかもぞもぞ動き出した。



「ん・・・」

「あ、ヅラ起きんのか?ははは・・・っ!」



高すぎはばれないようにマジックを隠した。ほんとはもっと書きたかったが、書いてる途中に起きられるという最悪なばれ方をするよりかはマシだ。桂は体を起こした。



「・・・何をそんなに朝から笑っておるのだ・・・?気持ち悪いぞ、やめろ」

「ちょっと馬鹿げたことに笑ってただけだ。気にすんな」



肉を付けたまま喋る桂を何とか堪え笑いが治まってきた頃、桂は顔を洗おうと立ち上がった。勿論桂自信は肉のことに気付いていない。寝惚けている体を起こす為にだ。



「ヅラ、何処行くんだ?」

「洗面所」

「まじでかっ・・・!?くくっ」



ついにばれると思うと高杉は再度笑ってしまった。桂は洗面所へ行くことの何が可笑しいのか疑問に思いながら蛇口を捻った。顔を洗う前に無意識に正面に付いてある鏡を見る。桂が高杉の笑っていた意味を知るのにそう時間は掛からなかった。



「お前だな!俺の顔に変な落書きをしたのは!!」

「はははははっ!!」



桂は洗面所から慌てて戻り大声で文句を言った。顔を真っ赤にして怒っている反面、高杉は滅多に無いほどの笑い声を上げている。妙な光景だ。



「あまりにも気持ち良さそうに寝てるからよ、したくなったんだよ・・・はははっ!

「最悪だな・・・!」



桂は洗面所に戻り文字を水で落とそうとした。だが高杉が使ったのは油性ペン。柔に擦るだけでは消えることはない。隣で笑い転げている高杉に敗北感を感じながら、熱心に擦り続けた。



「おい高杉!これ油性なのか!?」

「そこまで擦って落ちねぇんだから当たり前だろ・・・!ぷっ」



桂はいくら擦っても落ちないので悔しみがらも水を止めた。鏡で見ると消えるどころか擦り過ぎて赤くなっている。タオルを当て洗面所を後にした。高杉は漸く笑いを止め深呼吸している。



「落ちないのだが」

「俺より遅く起きた自分を恨め。寝てる人間がいたら何かしてぇと思うのが人間の本望だ」



桂は高杉の筋の通っていない言い分にムッとき軽く頭を叩いた。高杉は痛そうな素振りだけ見せ、実際には痛くないというのが見え隠れしていた。
さぁ、今日はどうやって過ごしたらいいものか。



100912
我が家のたかづらは絶賛同棲中です。

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