小説3

□背中合わせ
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「なんかさ、XANXUSとこうやってるときがいちばん落ち着く」



何も考えずに背中あわせで座る。酒を片手にまったりする一時。お互いの顔は見えないが背中の温もりでどれだけ想われてるか、想っているかが伝わり心が休まるのだ。普段XANXUSから放たれている重圧な威圧感は微塵も感じられない。



「お前は落ち着くかも知れねぇが、俺は暑い」

「俺は暑くねぇし、偶にはいいじゃねぇか」

「誰もお前の意見など訊いてない」



スクアーロはXANXUSが暑がっているが離れようとしない。あまり甘い雰囲気になれることなど稀なことだ。この機会を逃したくない。
スクアーロはXANXUSの左手に自分の右手を重ねた。手から伝わる熱。暑いけど、幸せな暑さ。
XANXUSは暑いと文句を言ったくせに手を振り払おうとしない。それが堪らなく嬉しい。



「やっぱりさ、結果的に幸せになれたら、それはそれでいいよなぁ」



現時点に辿り着くまでに馬鹿みたいな困難の数があった。挫けそうになった数、泣きたくなった数は計り知れない。
けれど今ここに自分がいるのはXANXUSという存在があるから。XANXUS無しにこの人生は成立しない。
今の自分は胸を張って幸せだと言える。忠誠し愛する主がいて、その主が自分のことを愛してくれている。周りには信頼出来る仲間がいて。凄い幸せ、とても幸せ、でももう1つ願うとするなら。



「XANXUS・・・後はお前次第だ。ボンゴレを手に入れるのも、俺をお前の剣にしておくことも」



XANXUSがボンゴレを手に入れ、最高で最強になること。もしその時に自分という剣が相応しくなくても、要らないと宣言されても、こえがスクアーロの出あったときからのいちばんの願い。
XANXUSの指示や行動、選択には全て従う。第一逆らう理由が見つからない。この場死ねと言われても死ねる覚悟くらいはとっくに据えている。だから、剣くらいいつでもやめれるということだ。



「俺は、お前を手放すことはない。お前以上の剣はないんだからな」

「XANXUS・・・」



スクアーロは感情高まり強く手を握ると、軽くだかXANXUSも握り返してくれた。
いつでもやめれる、けれど、願わくば共に上を目指したい。





100826
ザンスクが好きすぎてどうしたらいいのかわからない。

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