小説3
□標的299妄想
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炎真達シモンファミリーが去った直後、ボロボロとなってしまった自分を悔しく思いながら獄寺は雲雀に話し掛けた。
「お前も、ボロボロじゃねぇか・・・」
お互い血塗れれ惨めな格好を晒して、雲雀からは話し掛けるなという雰囲気が漂っているが、外傷が酷く思わず声を掛けた。
「君に言われたくない」
血をスーツの袖で拭きながら強意地を張った。だが左目付近の流血が目立っている。獄寺は自らのスーツの袖を雲雀の頬に当て拭いた。
「お前の方がボロボロだ。血出しすぎ」
「君の方が傷塗れ」
こんな場面でも子供染みた言い合いをする2人。獄寺は大体血が落ちたので腕を離した。代わりに雲雀は獄寺の口元に付着している血を手の甲で拭いた。
「自分だって血出してるくせに。そう言えば背中、大丈夫なの?」
「お。お前が人の心配するなんて珍しいな」
「だって君未来でも背中やられてたでしょ。まだ日浅いわけだし」
それほど時間は経ってないが既に治っている。だがさきほど打ち付けられたのはかなり重く響いた。大丈夫と言うと嘘になるが、雲雀だって痛いのは同じ筈。
「まあ普通に立つだけなら平気だな。お前は?」
「僕は大丈夫。それより早くシモンとか言う人たちを咬み殺してやりたい気持ちでいっぱい」
「それは俺も。」
ボロボロになった身体、精神。けれどお互いがいるから、大丈夫。
100727
ほんと今週の雲雀さんはかっこよかった。
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