小説3
□暑がり鮫の取り扱い方
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「暑ぃ・・・」
朝から晩までいつまで経っても猛暑が続くここ最近。今日も例外ではなく日に日に最高気温を塗り替えていた。
そんな中スクアーロは今から任務の予定なのだが、夜にも関わらず蒸し蒸しした気温の為隊服をまだ着れていなかった。
「今から任務とか本気で拷問としか思えねぇ・・・服なんて全く着る気しねぇよ、なぁルッス」
独り言のように愚痴を溢した後、一緒に任務へ行くルッスーリアに同意を求めた。ルッスーリアもスクアーロと同じく暑そうにインナー姿でソファに体を寝かしている。
「そうよねぇ・・・流石にこの暑さには耐えれないわ・・・」
少しでも涼しくなろうと手で風を運ぼうと扇ぐが、来るのは生暖かい風だけであって微塵も涼しくならない。
「文句言う暇あんならさっさと着て行けカス鮫」
「痛っ」
するとXANXUSがいつの間にか談話室に来ており、スクアーロの頭上に足を勢い良く置いた。暑さ故か痛みが異様に響いている。
「んなこと言うお前が行けよ・・・痛ぇなぁ・・・」
スクアーロはXANXUSの態度が暑さで元から苛々していた神経に障ったので、開き直りソファに寝転がった。
怒られたっていい。それくらいの暑さだ。
XANXUSはスクアーロの開き直った態度に苛っとき、スクアーロの腹部に腰を降ろした。
「痛い痛い痛ぇ!やめろ!真面目にやめろぉ!」
「フン。わかればいい」
XANXUSの尻は思いっ切りスクアーロの鳩尾に入り、声を荒げた。XANXUSは納得にたように席をずらした。ルッスはそんな2人を微笑ましそうな視線で見ていた。
「いいわねぇ・・・こんな暑いのにイチャイチャ出来て」
「俺らがいつイチャついたぁ!?」
スクアーロは大声で否定するが、音量を大きくしたところで逆に暑さが増すだけだと気付く。ルッスーリアは寝ていた体を起こしソファから立ち上がった。
「それじゃ、私は着替えるわ。スクちゃんもイチャついた後でいいから着替えるのよ」
「え゛、ルッスお前着んのかよ・・・」
ルッスーリアは談話室から出て行った。ルッスーリアが着替えるのならスクアーロも着替えなければ出発を待たせることとなってしまう。迷惑は掛けたくないのが本音だが、どうもこの熱帯夜には叶わない。
「なぁボス・・・そろそろ隊服変えねぇかぁ?いくら何でもこれは酷い。暑さで死ねる自信がある」
「勝手に死ね」
「う゛ぉ・・・」
面倒なことが嫌いなXANXUSは自分に直接関わり無いことには自分は何もしない。
いくら隊服の生地が夏用に薄くなったとはいえ、長袖長ズボン、それに多少の防御が出来る作りとなっている。任務が終わる頃には汗でグチョグチョとなっている。
「いいよなぁボスは。任務行かねぇから隊服着る必要無ぇし、いっつもシャツで前開けてるから涼しいし」
「あ?」
「その上クーラーがガンガンに効いてる部屋でじーっとしてるだけでいいし、暑さなんて感じねぇからいいよなぁー・・・」
スクアーロは皮肉をふんだんに込めて言った。だがこれくらい言わなければやってられない。次にXANXUSを見たときに鉄拳の制裁が来るとしても。
そんなことを考えながらXANXUSの方を見ると、予想とは違い拳は飛んで来ず、以外とまともな返事が来た。
「風が入るような素材を発注しといてやる。それでいいな?」
「お゛、おう」
鉄拳は飛ばなかったが、数秒後さっさと行けと蹴りを入れられることとなったが、まあいいや。
100803
スクアーロの髪、熱さ半端ないだろうな。
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