小説4

□こたつ虫
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昨夜の任務は長引いてしまい、スクアーロの朝は遅かった。昼近くに目覚め、凄い勢いで鳴っている腹を満たす為にルッスーリアのいるであろう場所、談話室へぼーっとした体で向かった。
スクアーロはそこで目を疑うこととなる。いくらフリーダムな暗殺部隊だからといって、ここまでのおふざけは許されることなのだろうか。



「何でこんなもん置いてんだぁ・・・?」



驚きながらルッスーリアと、普段食事時以外いないXANXUSに尋ねる。昨夜まではテーブルが置かれていた位置に、見たこともないこたつが陣取っているわけを。
そのこたつではXANXUSが気持ち良さそうに温まりながら仕事をしていた。尚更意味がわからない。



「スクちゃんお早う。こたつ?ボスったらね、気に入ったみたいなの。ほら、庶務室ってコンセントないじゃない?だからここにいるのよ」

「そういうことを言ってるんじゃなくてだなぁ・・・!」



庶務室にコンセントがないなど、そんな個人的な情報はどうでもいい。何故人が集まる場にこたつなんかを置いているのか。
いや、置くこと自体は迷惑さえ掛からなければ別にどうだっていい。
気になるのは既に完璧に備えられている暖房器具を無視して、日本の文化を取り入れようとするのかだ。



「深い意味はないけど。和って素敵だと思わない?桜に菊に牡丹、他にも色々あるけど、どの花も可憐で品があって---」



ルッスーリアはスクアーロが絶対的に興味を持たなさそうなことだとわかりながらもペラペラと語り続ける。
ルッスーリアが以前から和風にはまっていたことは知っていた。和柄な雑貨が増え、食事も時々和食を作るようになっていた。スクアーロからの文句は特になかったが、ベルからの大ブーイングが印象に残っている。



「もう和風はわかったから飯作ってくれねぇかぁ?」

「あら、ごめんなさい。ついつい熱中しているものの話になると止まらなくなっちゃうわぁ・・・」



ルッスーリアはキッチンへ行き、朝食の支度を始めた。スクアーロは何処へ座ればいいかわからず、とりあえず現状を理解してみる。
いつも座っているテーブルはこたつに変わり、椅子もないのでいつもの定位置はない。
こたつではXANXUSが無言で至って真面目に庶務を行っている。こたつには集中効果があるのだろうか。
仕方なくスクアーロは文句を言われる前提でXANXUSの向かい側に腰を降ろした。



「冷えるだろうがカス」

「う゛おっ」



案の定XANXUSは冷えた体のスクアーロが入ってくることを嫌がり、長い足で腹部を蹴った。相手の足が見えないので避けることができず、まともに喰らってしまう。



「痛ぇなぁ・・・お前がこんなとこで仕事してるからだろうがぁ・・・」

「寒いから仕方ないだろ」



庶務室にだって暖房くらいあるだろと返そうとするが煽っても無駄だと察し、背中を曲げ頬をこたつのテーブルに付け、寝るような姿勢をとっていた。痛みと眠気の両方で体が持たない。朝食が来るまでこの姿勢でいようと思っていると、XANXUSが余計なことをし始めた。



「っん・・・」



官能な声が漏れたのは紛れもなくスクアーロの方からだた。ビクついた体起こしXANXUSを見るが、こちらを眼中にいれず、何事もなかったかのようにペンを走らせる。



「うぁっ、ボス・・・っやめ」



XANXUSは自分の足でスクアーロの陰茎を弄っていた。しかも足首をしっかりと握り逃げられないようにしながら。
いつもは隊服のズボンを履いているので、無防備な素材の薄いスウェットを履いていると思うと、つい変なことをしてやりたくなる。



「はいっ、朝ごはんよん」



するとルッスーリアが朝食を持ってきた。テーブルの上に置き、スクアーロの頬が赤くなっていることに気付くと、早々とこの場から立ち去る。
スクアーロが気まずそうな顔をすると、XANXUSは漸く書類から顔を上げニヤッと笑った。



「ほら、食えよ」

「食えっつっても・・・う゛っ」



食べるように促すが、口に入れようとする寸前にまた足を動かす。せっかくの美味しそうなオムレツも、サラダも、食べる余裕がない。
本日の朝食時間はルッスーリアの趣味のせいで変なプレイをさせられながら、必死で食べ物を喉に通す時間となっていた。



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お題6つ目は足○キすみませんな微エロでした。
最近寒いですねぇ。

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