小説4

□ツンデレのデレ部分解析
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「せっかくのお休みなのに付き合ってもらっちゃってごめんね?」

「ううん、いいのよ」



今日は久しぶりにルカとMEIKOが揃ってオフだったので、MEIKOはショッピングへと誘ったのだ。
2人の両手には最近発売した流行の服ばかりが抱えられている。どれも狙っていたものばかりなので財布は軽くなってしまったが心は満たされていた。



「でもこんなに買うんだったら、がくぽ呼んどけばよかったかな」

「え、がくぽくん仕事じゃなかったっけ?」

「仕事だろうが呼べば喜んで付いてくるんです、あいつったら」



恋心を逆手にとって都合良く使われているがくぽにMEIKOは苦笑いを浮かべた。だが2日tの荷物は相当な重さになっている。段々喉も渇き、丁度あったカフェで休もうとルカを引き止めた。



「ルカちゃんっ、少しお茶して行かない?」

「いいですね。私も少し疲れたところですし」



2人の意見は合意し、カフェ内へと入った。MEIKOはアイスティーを、ルカはコーヒーを頼み空いている席に座した。
夕方という中途半端な時間帯の為店内に客は少なく、元から変装用にサングラスのお蔭で周りに自分達の存在がばれる心配はなかった。
MEIKOは3分の1ほど飲み、ずっと気に掛けていたことを突然に尋ねた。



「でさ、ルカちゃんは結局がくぽくんのことどう思ってるの?」



がくぽがルカに好意を見せる度にMEIKOは考えていたのだ、ルカは本当はどう想っているのかと。いつも嫌そうな態度をしているが、本気で拒んだとこをを見たことがない。何だかんだで2人はお似合いだ。
ルカは質問を聞いた途端渋面になり、コーヒーをテーブルに置き口に手を添えた。



「まさかとは思いますがお姉さま、私ががくぽに恋愛感情でも持ってるとお考えに・・・!?」

「あれ、違うの?」



ルカは小刻みに首を振り続ける。MEIKOが思っているよりも遥かに嫌っているようだった。ルカはしばらくすると振るのを止め、MEIKOの方を真っ直ぐ見て声に重圧を掛けて喋った。



「あんな腐れナスビに恋するくらいだったらタコになった方が何100倍もましです」

「そ、そこまで・・・?」



ルカは否定をし続けたが、MEIKOは内心疑っていた。ルカが本音を言えないツンデレ属性なことは誰でも知っていることであり、否定すれば否定するほど余計に怪しく感じる。
何としてでも本心を暴こうと、不機嫌気味なるルカにがくぽの話題を振り続けた。



「でもルカちゃん、この前がくぽくんが一晩帰ってこなかったとき凄く気にしてたじゃない」

「そっ、それは・・・」



半月ほど前に、がくぽは仕事に行ったきり連絡もなしに一晩家を空けた。翌日何事もなかったように帰って来たがくぽにみんなは問い詰めると、取材が夜遅くまで長引き、疲れも溜まっていたので近くのビジネスホテルに泊まっていたという極めて簡単な理由だったのだが、そのせいでルカは一晩中ご機嫌斜めで仲の良いMEIKOでさえあまり口を利いてくれなかった。
ルカの頭では私が落ちないから知らない女でも引っ掛けて夜を共に過ごしているんじゃないかという、とんでもない空想しか思い浮かばなかった。
後何日かは拗れてしまっていたが、ルカががくぽを好いていることを裏付けるのに十分な夜だった。



「そ、それはもし交通事故なんかで死んでたりしてたら、あいつに借りっぱなしのお金どうしようか困ってただけ。借りたままなんて気分が悪いもの」

「そう?でも何だかんだでがくぽくんとよく喋ってるじゃない。本当に嫌いなら喋るのも嫌だと思うんだけどなぁ・・・?」



こじつけのような言い訳にクスッと笑いながら質問を続ける。
ルカは案外がくぽと会話を交わしている。暴言を吐いたり会話になっていないことも多いが、自主的に声を掛けることも少なくない。その度にがくぽは嬉しそうな顔をするし、ルカだって楽しそうだ。両想いと言われても何の不思議もない。



「しゃ、喋るのは・・・がくぽの反応って面白いんですもの。からかい甲斐があるというか、見てて笑えるというか・・・。一緒にいると落ち着く・・・って別に好きだからとかではなくて!」

「はいはい」



好きをいちいち打ち消したのを軽く促し、2人はずっと放置していたドリンクを飲んだ。少しぬるくなっているが1つ重大なことを知れたので十分だ。MEIKOはアイスティーを飲み干しぼそっと呟いた。



「なんだ、ルカちゃんってやっぱりがくぽくんのこと好きなんじゃん」



101022
ぽルカにも萌えるけど仲の良いルカとMEIKOにも萌える。

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