小説4

□君に誓いを
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「よっ!御曹司」



16という幼い年齢にも関わらずボスになる資格を得る為に、ハイレベルな勉強をし続けているXANXUSの前に現れたのは、ある日を境に付きまとうようになったスクアーロだった。毎回警備を上手いこと擦り抜けて無断で入ってくるのだ。
剣のことしか考えてないくせに手を落としたりするスクアーロは、残念なことに面倒な奴としか認識されていない。だがそんなことに気付かず怒られようが懲りずに来る。



「なぁXANXUS。今日誕生日なんだろぉ?」



ディーノから今日がXANXUSの誕生日だと聞いたのだ。これは祝うしかない。
XANXUSはスクアーロの台詞で自分の生まれた日が今日だったと思い出す。ティモッテオががパーティーがどうのこうの言っていたのはこの為か、と納得。
だが今の自分は誕生日など興味はない。勉強のことで頭はいっぱいだ。それにゆりかごのことだって追々考えていかなければならない。



「そうだが、何か用か」

「用に決まってんだろぉ!どっか行こうぜぇ。それが無理なら何か欲しいもんとかあるかぁ?買える範囲なら買ってやるから、言ってみろよ」



目を輝かせながら財布を取り出した。働けもしない学生の財布の中身など学が痴れているし、欲しい物など特にない。スクアーロを無視し、視線を教科書へと戻した。



「う゛お゛ぉい!無視すんなぁ!祝ってやるっつってんだから何か言えって」

「・・・消えろ」



時に騒音となるスクアーロの声が神経に痛いほど響き、思ったことをそのまま言った。スクアーロはその一言に気を落とし言葉を呑む。欲しい物を聞いても仕方ないと悟り、自分自身がXANXUSの欲しい者を提案することにした。



「お前は何が欲しいんだぁ?旨いフレンチ、新しい文具、教科書、流行の服・・・何かあるかぁ?」



何も言おうとしなかい。皆が欲しがる物を欲しいと思わないXANXUSに言うだけ無駄だった。
だがスクアーロは絶対に何らかの形で祝ってあげたかった。心から憧れているXANXUSに、何かしてあげたい。



「お前の為なら何だってする。なぁ、だから言えよ。どんなことでもいいから」



XANXUSに触れようと手を伸ばす。が、寸前のところでスクアーロの手首を掴み拒んだ。
数秒スクアーロを睨む。今言ったことが本当かどうか目線で尋ねた。



「嘘じゃねぇぞぉ。XANXUSが望むことは全部叶えてやる。俺はお前の剣なんだからなぁ」



スクアーロは少し口角を上げた。XANXUSの望みを今か今かと心待ちにする。公言したからには何だってしてあげるつもりだ。常識外れなことだろうが、無茶振りなことだろうが。



「剣か・・・。おいカス、てめぇは俺を裏切らねぇと誓え。絶対に裏切らねぇと」



XANXUSは思い切ったことをスクアーロに言うことにした。その為には1つ誓ってもらわなければならない。ティモッテオみたいに裏切らないと、一生自分に従い生きていくと。
スクアーロは話の方向性が少し違うXANXUSの発言に違和感を覚えながらも、力強く頷いた。



「誓うぜぇ。それにまず俺がお前を裏切るなんて、次元の違う話だ。でもそれがどうかしたかぁ?」

「後でわかる。それより祝うんだろ、俺の誕生日。まずはコーヒー持って来い」



今言ったところで理解出来るほどの脳を持っているとは思えない。それに裏切らず一生付いてくるということが聞けただけで十分だ。
とりあえず今日1日はパシリとしてこき使ってやろう。



101010
ボス誕第2弾!
本当はこっちを先に書いてたんですが、時間軸的に微妙な気がしてしかたないので、書き直したのが1つ↑の小説です。
没ってわけでもないし、勿体ない気がしたのでこれも載せることにしました。
ボスおめでと!大好き!

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