M.S.N @ミルステ

□願望の星
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石碑には以下の内容が書かれていた。

「死にたる者達よ。我死する者を復活せし者。汝復活願はば死にたる者と戦へ、さすれば敗れたる者土にならん。勝利せば、敗れたる者のソウルを得ん。一人残らば、汝を肉体に蘇らせん。」




其の時、辺り一面真っ白な大地から、緑豊かな草が生い茂り、空では雲が裂け光が差す。
山や、森、海、湖、島などに色彩が戻っていった…。
しかし、相変わらず生気は失ったままだ。

・草原地帯
ルルーシュ(以下略:ルル)
『何だ…?これは?CGか…いや、違う。これは・・・本物!?』

気付けば、ルルーシュの周りは草原となっていた。

ルル『と…とりあえず、整理しよう。俺は死んだ、そして、今ここ死後の世界通称:希望の星にいる。俺みたいにこの世界の何処かにいる。死する者達の魂(ソウル)を手に入れなければならない。最後に勝てば、一度死んだのが蘇ることが出来る…。と、言った所か。』



月『しかし、本当に俺以外にいるのか?探すのに苦労するな。まぁ、僕は真面目な優等生。才能があれば、頭脳戦で勝てる。極力戦闘は避けたほうがいいだろう。さて、まずは、ここの川沿いを下ろうか…。』

ルルーシュは辺りを見回し始めた。

ルル『とりあえず、草原じゃかなり目立つ。なるべく影になった方がいいな。・・・…ん?あれは、街か!丁度いい。あそこでまず、身を隠し戦略を立てよう。』

・山岳地帯
ライト(以下略:月)
『なんだ!?風景が変わった!ここは、山?』

白黒のうちは気づかなかったが、月がいた場所は山岳地帯だったようだ。

月『しかし、本当に俺以外にいるのか?探すのに苦労するな。まぁ、僕は真面目な優等生。才能があれば、頭脳戦で勝てる。極力戦闘は避けたほうがいいだろう。さて、まずは、この川沿いを下ろうか…』

しばらく川沿いに歩いていると、小規模な街が見えてきた。そして、そこに住む人々も見えてきた。

月 (あれは…?人か?まさか、「死にたる者」かっ…様子を見よう。
くそッ…デスノートがあっても名前が知らなきゃ意味が無い。
死神も来ないからどう対処すべきか…。ん?)

目の前にいる人間は月に気づくことなく、家に入って行った。
月 (気づかなかった!?いや、普通なら互いに存在を認識できる距離だ。まさか、「死にたる者」……僕と同じ死んでいる人間じゃないのかっ…。ということは、普通の人間もいるのかっ!?)



・???
??『ほぅ、これは面白い。死する者達をぶっ殺してやるぜ!!そして、俺は地球に復讐するんだっ!』

………。
……。

民族『ぐわぁっ!!』

??『チッ、こいつも人間かよ。これで20人目だぜ。どこにいるんだよ死する者は…めんどくせぇな…。休むか…。』


・荒野地帯
一方その頃、砂煙が舞う荒地地帯。死者達の戦いは既に始まっていた。

パパス『うおぉぉぉぉっ!!』

桐生『てぇぇやぁぁぁっ!!!』

唸る剣と刀のぶつかり合い、パパスは剣を振り下ろして攻撃するも桐生はギリギリの間合いで避けている。

パパスが片手で振り回している大剣による一撃は、くらったら一溜まりも無い。
一方桐生は、刀の二刀流だ。こちらも、一度くらったら反撃が出来ない程のダメージを負うだろう。

お互いほぼ、互角の戦いに見えるが実際には違う。パパスはドラクエXで登場する主人公の父親で、筋肉隆々のたくましい体を持っている。また、己の肉体を駆使した剣術だけではなく、魔法という効率の良い攻撃手段もある。
さながら、魔法剣士といった所だ。

しかし、魔法を使うときMP(マジックポイント)を消費してしまう。魔法を使いすぎるとMPが減り、MPがなくなると魔法が使えなくなる。
魔法を使うタイミングが勝利の鍵になるだろう。

互角であろうが一歩間違えれば、即負ける。お互い剣士として、その事は承知のはずだ。しかし、ここで負ければ二度と生き返る事ができないというプレッシャーが2人の心に重くのしかかっていた。

そして、今のパパスはプレッシャーに押しつぶされそうになっている。
桐生は武士であるが故に、勝負はいつも一瞬で決まる。そのため集中力がとても強く、プレッシャーというものを感じないのだろう。

実力的には、互角なのかもしれない。しかし、時にプレッシャーというものは、実力差を生み出すことがある。

パパスは物理攻撃によるダメージを軽減する魔法・スクルトを唱え始めた。桐生は何かを感じ取り、パパスへと一直線に向かったが、あと一歩のところでスクルトを唱えられた。パパスは剣でガード!桐生はもう片方の短剣を振り回した。

キンッ!!

桐生の短剣がパパスの腹部に当たったかに見えたが、そんなことはなかった。慌てて桐生はパパスのいる所から離れた。

桐生 (やはり、あいつ何かしやがったな…。)

桐生『お前、見たところ戦士に見えるが中々やるな。名はなんと申す。』

パパス『私の名前はパパスだ。貴殿も私と互角に戦うということは、中々の腕前のはず…』

桐生『俺の名前は、桐生一馬之介だ。まぁ、放浪者と言ったところだ。』

パパス『ほぅ、しかし戦うということは貴殿も何かやり残した事があるのか?』

桐生『まぁな。』

パパス『私にもやり残したことがある。手加減はせんぞっ!』

パパスは剣を振るが、桐生はひょいと後ろに避ける。桐生がパパスの丸腰の上半身を切ろうとした刹那、パパスは地面に叩き付けたばかりの大剣を、すぐに桐生の方へと振りかざした!!慌てて避けるもパパスの攻撃は止まない。

隙が見つからなかった。桐生が横に避けても、パパスはデカイ大剣を軽々と振るう!!

桐生はその大剣をもう一度避けると、大剣の柄に桐生は蹴りを入れた!

その瞬間、パパスの剣を持つ手が緩んだ。これが、一瞬の命取り。
桐生は両刀を蜂の針ように刺す。

グサッ

鈍い音が響いた。見事に、パパスの体は桐生の二本の刀に貫かれた。
パパスは、口から血を吐きそのまま倒れた。パパスの手の指先が光となり、消滅していく。

パパス『ごふっ…フフ、ど、どうやら私は負けたらしいな。わ、私は、息子を見届けたかった・・・。どうやら、その夢は達成出来なかったようだ。上には上がいる。私の息子となら互角に戦えるかもしれないな…。愛しい母よ。今、お前の元に帰・・・る…ぞ。』

光が徐々に消えて行き、最終的には完全に消えていった。
すると、桐生の体が強くなった・・・感じがした。







桐生『パパス……その名覚えておこう』

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