市日小説 長編 〜chain of scarlet spellbinding〜

□第六章 約束
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時間が過ぎるのはとてもはやい。


満月まであと二日。


今日から鬼と死神の大戦争が始まった。









「俺の相手はやっぱりお前か。」


「俺に勝つ自信が無いのなら、消えろ。」


ラウが更木に毒舌を吐く。





夕凪が抜刀して言う。
「消し飛ばせ、――。」


夕凪の始解は斬魄刀が針に変化し、水素で爆発を起こす。


爆風に針がのる。


その針に少しでも触れると跡形も無く砂になる。


彼女の始解により、bSのウィン
         bTのダーク
         bXのサン
         12のギルが砂になった。



残るは7人。
今日ここにあらわれたのは五人だけだった。





いつもの場所で夕凪と月を見る。
残された時間は約一日。


夕凪が口を開く。


「また最期の夜だね。」


「最期なんて言わんといてや。」


「最期なのは夕凪の姿で月をみること。
 約束するわ。明日になってもあなたと月を見るからね。」


「………。」


「冬獅郎とブレードを戦わせてはいけない。」


「どういうことなん?」


「昔、ある男があたしとブレードを戦わせて最強の斬魄刀を作ろうとした。

 その刀がもしできてもあたしがつくった刀さえあれば勝つことができる。

あたしが死ねばその刀は砕ける。」



「その男って誰なん?」


「ゴメン。言えない。」


「何で言われへんの?」


あたしの大切な人を皆殺しにすると言われたなんて言えない。


嘘ついてごめんね。


「憶えてなくて…。」


夕凪の嘘つく時の癖や。
優しい夕凪のことや、口止めさせられてるんやろ。

だまされたフリしといた方が夕凪の為や。


「そうなん。」


「その男はきっとその斬魄刀を作る。
 それができると冬獅郎は死ぬ。」


「それをとめるには……」


「ブレードをあたしがつくった斬魄刀で消す。
 実は二本あるの。
 ギンと冬獅郎に一本づつ。
 あたしのはもともとがそうだから合計三本かな…」


「もし、その時に二本も創らへんかったら?」


「あたしは死ななかった。
 けど、確実に冬獅郎を助ける為にはこれが正解だと思うの。」


「…っ。」


「何も言わないで。
 あたしは後悔してないから。」


「その言葉好きやね。
 ほな、ボクも後悔せんようにしなあかんなぁ。」


あと数時間で総ては決まる。


それまでは―――――――――









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