市日小説 長編 〜chain of scarlet spellbinding〜

□第三章 消滅
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あの晩、ライトは死ななかった。
初めて会って間もないのにすごく安心した。


それと俺にはあいつに伝えなければならないことがある。


それを伝えに行こうとおもう、今から。



皆が寝静まった古城をあとにし、彼の部屋の前にいく。


霊圧を消しているのにどうしてブレードが解るのだろうか?


「また来たん?寒いからはよ中に入り。」


中に入れてもらいこたつであったまっていたとき、当初の目的を思い出す。


ギンは二人分のお茶を入れている。


(こんな時、前にもあった気がする…。)


「ギン、今日伝えなければならない事があるんだ。」


「何かあったん?」


「次の満月の日、鬼が戦争をはじめる。」


お茶を入れている手がとまった。


「満月…。」


「満月の日に何かあるのか?」


「満月は鬼の力を最も強くする日や。」


「なら…!」


「そうや。
 尸魂界は君次第で滅ぶ。」


「満月までって、今日は新月だぞ!」


少し遠くから虚のような霊圧を感じた。
もちろん、二人はそれに気づいた。


「悪いな、こんな遅くに。」


「良えよ。
 せやけど、はやくいかな!!」


障子を開けようとしたとき、小柄な男の足音が止んだ。







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