市日小説 短編

□一週間、王様ゲーム
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真昼時の穏やかな流魂街の茶屋、二人の死神が笑う。


「乱菊、相変わらずサボりたがりやなあ。」


「ギンに言われたく無いわよ。」


「参加人数は四人で良え?」


「もう一人って誰よ?」


「イヅルや。
 ここまで来るのも大変やったんやで。」


「だから遅れたのね…。」


「イヅルつれてそっち行くから準備しといてなぁ。」


「気付かれないようにしなさいよ。」


いったん別れた乱菊とギン。
二人は道端で拾った機械であることをしようとしていた。








十番隊執務室の扉を開けると眉間に皺をよせた冬獅郎がいた。


「松本、サボってどこ行ってたんだ?」


半分怒り気味の冬獅郎が口を開いた時、扉が開く。


「市丸隊長、仕事してください!!
 期限切れの書類があるのですよ!!」


可哀想なイヅルの声が聞こえる。


「良えやん。
 たまには息抜きせなあかんで。」




乱菊とギンが目を合わせる。
乱菊が機械に付いているスイッチを押す。


機械が話し出す。


『これより、王様ゲームを始めます。
 ルールは説明書を読んでください。
 確認をします。
 プレイヤーは4名。
 市丸ギン、松本乱菊、日番谷冬獅郎、吉良イヅル。
 よろしけれスイッチを押してください。』


乱菊が押した。


『本日の王様を決めます。
 くじをひいてください。』


筒状のようなものが現れる。
その中にくじが4本刺さっている。


「松本、何だこれは。」


「王様ゲームの機械ですよv
 このくじ引いてくださいね。」


「俺はやらねぇ。」


「僕もやめときます。」


冬獅郎とイヅルが参加を拒否する。


『拒否をした場合は強制的に王様以外になりますが、よろしいですか。』


仕方なくくじをひく。
先が赤いくじをひいたのはイヅルだった。


『命令を』


「市丸隊長、仕事してください!!」


体が勝手に三番隊執務室へと向かう。


「イヅル〜!!
 何でそんなこと言うんや〜!!」


「日頃の行いです。
 隊長が真面目にしていればこういうことにはなりません!!」


「何でや〜!」


「日番谷隊長、乱菊さん、失礼します。」


気付けば二人。


「…松本。」


「………」


返事が無い。
乱菊が居た場所には誰もいない。


「松本〜!!」







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