D,Gray-man

□Are you cry…?
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「貴方も泣くんですね。貴方は泣かないと思ってた。」



Are you cry・・・?






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晴れた日。


嫌、乾いた日と言うべきか?


カラッとしていて、それでも温かみがある春の日。



「天気が良いんだから、コムイさん達、自分で来れば良いのに…」



片手には、紙袋に入り切れな程の買い出し物。


そして、もう片方の手には一枚の紙切れ。


科学班の皆から頼まれた買い物リスト。



「にしても、人…多いな……」



賑わう町並。


屋台が並ぶ中を、沢山の人が行き交う。


すっぽりとフードを被り自分と外を隔てる。


歓声な町並に一つの悲鳴が聞こえた。


そこに駆け寄るとアクマが一体、子供を片手で吊り上げて、こっちを見た。



「エクソシストですね? ハートは何処ですか?」



「君に答える義理は無いと思うよ。Level3。」



イノセンスを対アクマ武器に替える。



賑わっていた町並が、悲鳴の戦場に包まれた。







*






「……ぅ………?」



気が付くと、景色は外の風景では無く、埃っぽい空間だった。


体のあちこちに痛みが走る。


それを我慢して、重たい上半身を起こす。


頭を抱えていると、向かいの扉が開いた。


入って来たのは、花瓶に真っ赤な薔薇を入れて抱えているリナリーだった。


こっちを見たリナリーは、抱えていた花瓶を落とし一目散に駆けて来る。


フワッと抱き着いたリナリーは耳元で大きな声で怒鳴る。



「アレン君の……バーカ!!!!」



拳で胸部を強く叩かれる。



「リナリー、痛いです! ……リナリー? 泣いてるの………?」



「心配したんだから……。馬鹿、馬鹿、馬鹿……アレン君の馬鹿。」



俯いているリナリーの顔から、雫が落ちていた。



「ごめん…。 リナリー……。」



リナリーの頭を撫でていると、また、向かいの扉が開いた。


目を点にさせている、コムイさんとラビ。


僕に歩み寄って来るラビは、下を向いたまま大きく手を振り上げて、僕の頬を力一杯叩いた。


物凄い音が部屋に響く。


頬を押さえラビを見上げる。


ラビは大きく息を吸うと怒鳴り付ける。



「この、馬鹿!!! オマエ、馬鹿だろ!! 何で一人でLevel3に向かった?! 死ぬかも知れなかったんだぞ!!?」



ラビのあまりの迫力に向ける言葉が無かった。


言いたい事はラビが言ったのか、コムイさんはリナリーを連れて部屋を出た。



「だって、町が危険に曝されたんですよ?! 素通りには出来ません!!」



「だったら、自分が死んでも良いって言ってんのかよ?!」



「そこまで、言ってないでしょう!! だいたい、アクマを救うのが……−。」



言葉を切った。


俯いているラビから,液体が落ちていた。



「そう、貴方も泣くの。……人に泣かれるって辛いね。貴方は泣かないと思って、安心していたのに…。ごめんね、ラビ。もう、無茶しないから……。」



ラビの濡れている頬を触り、軽いキスを額に落とす。



「俺は、町より、イノセンスより、ハートより、何よりもお前が大事なんさ。だから………」



大丈夫だよ、ラビ。


僕が君より先に逝く訳がない。


だって、君が泣いてくれるだけで、貴方のことで胸が一杯になる。


誓うよ。


君より先に死なないって。


だから、



「だから、泣かないで。」






( 貴方の涙は、
  深い傷より痛いから )





End









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はるか昔の文を掘り出してみました
ちょっち修正して
皆様に見せれる文になりました…か…??
今更 駄文能力を呪っても仕方ないので
おいとまします

では 次に会えることを祈って






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