REBORN!

□狂愛
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いつからだろう。
狂ってしまったのは…。












「ツナ。」

「あ、リボーン来てたの?」


見つけたとき、
ツナは最後の一人を
殺そうとしていた。

血に塗れて、
黒スーツが赤に染まって。

Cランクの
一介のボスが出ないような
任務に…。


「少し、待ってね。すぐにコイツ殺すから。」


雲雀を殺してツナは変わった。
初めて、
自分の手で仲間を殺した感触。
それは、
あまりにも過酷で辛辣で
痛いものだった。

ファミリーにとっても。
ツナにとっても。


「ばいばい。」


笑って殺す。

いつの間にか、ツナのそれは
当たり前になっていた。
いつから?、なんて
記憶を辿れば
雲雀を殺した日から。

銃声が聞こえると
血が飛んで頬に付いた。


「あ、ごめん。」


親指で血を拭って、
ツナに近付く。
何とも言えない
鉄と硝煙の臭い。


「そんなに、臭い酷い?」

「いや……。帰るぞ…」

「んー、もう、ちょっと…」


目を閉じて、深く息を吸って、
深く吐いた。


「この臭い…、少し、安心する…。」


あの時の光景と
この臭いは似ていた。

あの悪夢のような、
出来事の日と…。

そう。
思い出したくもない
あの、忌ま忌ましい惨劇と…。







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