合同

□チャペルで永遠の愛を誓いましょう
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「雲雀さん、遅い…」


時刻は10時すぎ。
今日は12月24日、クリスマス前夜。
オレと雲雀さんはある約束のため10時にこのチャペルで待ち合わせをした。

ところが雲雀さんがなかなか来ない。

いつもなら絶対オレより早く来てるのに…。

「そんなに任務時間かかってるのかなぁ?」

いや、今回の任務はそんなに時間のかかるものじゃなかった。
しかも、あの雲雀さんが行ってるのに…

不安だけが募る。
それでもこの場から動かないのは、雲雀さんが来ると信じているから。
ただ信じて待つのがこんなに切ないなんて。
オレが任務に出ているとき、雲雀さんもこんな思いしてたのかな?
謝りたい、より、なぜか笑顔がこぼれた。



2人して愛し合っていて、そして不安になる。

まるで初恋みたいで、中学生のとき付き合っていた時の感覚。

「なんか、こんなのする必要あるのかなぁ?って思うほど好きだなぁ〜」

独り言のようにつぶやいた。
一途な愛。
遠くに離れていても心は通じ合っている。


時計を見ると11時半。
手の甲にふっと乗った白い塊。
それが雪とわかるまで時間がかかった。

「…雪…」

ポケットからケータイを取り出して雲雀さんの電話番号を押した。


中々でない電話。

「早く、早く来て…雲雀さん…!」

通話ボタンを押す音が聞こえた。

『「つ、な吉…?」』

声が二重に聞こえたのはなぜ?
雪が降る中、オレに向かって歩いてくる人が一人。



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