合同
□その一言が欲しいんです。
1ページ/2ページ
今日はオレの誕生日。
朝から皆がおめでとうって言ってくれたけど、雲雀さんだけまだ何も言ってもらってない。
一番言って欲しいのに・・・
もしかして忘れてるのかな?
聞きに言ってみよっと。
〜応接室〜
コンコン
「失礼しま〜す。」
「どうしたの?」
「雲雀さん、今日って何の日かわかりますか?」
「・・・10月14日。」
「あ、いや、そういうことじゃなくて・・・」
「じゃあ何?」
「・・・・・・やっぱり覚えてないんですね。」
ヤバイ、泣きそう。早くここから出よう。
俯いたまま、
「やっぱり何でもないです。すいません、失礼しました・・・」
そう言って応接室を出ようとすると、後ろから手首をつかまれてそのまま抱きしめられた。
「ごめん。」
「・・・えっ?」
「冗談だから、泣かないでよ・・・」
「冗談って・・・」
「忘れるわけないでしょ?・・・10月14日、綱吉の誕生日。」
「・・ふぇ、オレッ・・・ほん・・っとに・・ヒクッ、忘れられたと・・・思って、・・・雲雀さんヒドイ・・・」
「ごめんね。ほら、こっち向いて?」
振り向くと額、鼻、頬、最後に唇にキスを落とされる。
話されたかと思うと再び重ねられて深いモノへと変えられた。
苦しくなって離してもらうと耳元で囁かれた。
「誕生日おめでとう。愛してるよ、綱吉。」
その一言だけで、あとはもう何もいらない。
end
nextあとがき
・