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□君のものにはなれない
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「今、なんて……?」
「…一回で聞き取れよ」
「違うわよ。ただ…」
「信じられない?」
「あ、たり前でしょ」


誰もいない部室で夕日は窓から差し込む。
このシチュエーションは、やばい。
普通なら気にも留めない場所、
見慣れた場面。
ただ、今はいけない。


「カントクが、…リコが好きだ」


胸が高鳴る。
ダメ、ダメよ。
嬉がっては、応えては。


「ご、めん…なさ、い…。わ、たしは…」

言え。
これから、どうやって付き合っていく
つもりなのだ。
監督と選手。
付き合っているとチームメイトが知れば
不和が生じる。
ダメ。
彼のために、チームのために、勝利のために。


「日向くんのことは選手とでしか、友達とでしか見れないわ」
「…そっか。それはそれで嬉しいわ。サンキューな」

苦く笑った顔を見て
違うのよ、と叫びたくなった。

わたしは、

「じゃ、明日から元の、選手と監督、な」

何もなかったような顔をして、笑う。

「じゃあ、カントク戸締りよろしくな」

あなたが、

「…任せて」

笑顔を見せて、私は手を振る。

「任せた。じゃあな、カントク」

頭に手を置く。
元の関係に戻った証。

静かに扉が閉まった。



「……好きっ」


涙と一緒に想いが零れた。



(あなたが好きです、日向くん)



end


凄い久しぶり(2年振り?)の
更新です。
大変お待たせしました。
大学受験やら入学やら大学生活やら
テストやらバイトやらの慣れないことで
更新する暇がなかった、とは言い訳ですが
見事なまでに放置してて すみません。

2年振りにしては いい話なのでは
(あ。内容はアレですが)
ないかと思っております。
意外と好きです、順リコ。

これから襲花とサイト運営について
話合っていくので更新が途絶えるかも
しれませんが見捨てないで下さいませ。
これからも鎮魂歌を
よろしくお願いします。





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