L×S

□真夏の17歳☆
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「ふふ…白のビキニが眩しいぜ。」

暑い日差しを遮るように自分の頭の上に手をかざし、かっこよくキメているリウ"ァル。
前には女子生徒が可愛く、透き通る海ではしゃいでいる。
何て美しい光景…。

今リウ"ァルが考えている事は、二つ。
決して女子生徒から目を離さない事。
そして決して後ろを振り向かない事。
女子生徒が危険な目にあわないかを見守るためでは決してない!!
彼の後ろにはカオスが広がっているのだ、そう…バカップルというカオスが…。
「やっぱりあの白のビキニの方が良かったんじゃないか?スザクのちょっと日焼けした肌にはえるのに。でもグリーンのボクサーパンツ姿も…綺麗だよスザク。」

「もぉ〜☆ルルーシュったら。ルルーシュの黒いビキニも、君の白い肌を際だたせて凄くかっこいいよ。」

キャッキャッとはしゃぎながらお互いに日焼け止めオイルを塗りあおうとする二人をリウ"ァルは完全無視する意向を固めていた。
見ない、気にしない、振り向かない!!
(俺は死んでも後ろを振り向かないぜ!!)

何かセリフだけはかっこいいんですがね…とバカップルの被害を受けている可哀想な少年なので生暖かく無視しましょう。

さて、バカップルはというと。
まだお互いにオイルを塗りあいっこしていた。

「ほらスザク、首の後ろや耳もちゃんと塗らなきゃムラになるぞ。」
「わっ!!もぉ〜くすぐったいよ〜☆きゃぁん!!」

スザクが耳へのいきなりの刺激に色のある声をあげたのを耳にしたルルーシュは鼻を押さえながら誰にかわからないが親指を立てて(グッジョブ!!)と心の中で叫んだ。
「ルルちゃん達ったら楽しそうね〜海に入ってきたら?あっちの方は人も少ないみたいよ。」

飲み物を取りに来たミレイがさもバカップルを邪魔そうにして言った。
だがその顔が何だか楽しそう。

「じゃぁ泳ぎに行こうか、ルルーシュ。」

ルルーシュの腕を掴み、スザクは皆が遊んでいる海岸よりかなり離れた所までルルーシュを連れて行った。

「スザク、ちょっと離れすぎじゃないか?」

腕を引かれたままでルルーシュがそう言うと、スザクはふいに振り返りルルーシュに抱きついてきた。
突然の事にあわあわと慌てたルルーシュ。

「…やっと二人っきりだね、ルルーシュ。」

キラキラとした瞳でルルーシュを見つめるスザクは二人だけになれたのが本当に嬉しそうだった。

「スザク…そんなに二人きりになりたかったのか?」

ちょっと驚いた顔で聞いてきたルルーシュにスザクは、

「だって…二人きりの旅行だったはずなのに、皆と過ごすのが嫌なわけじゃないけど…僕楽しみにしてたんだよ、ルルーシュと雪合戦する予定立ててたのに。」

「スザク、お前って奴は何て…何て可愛いんだっ。お前は俺のエンジェルだよ。俺もお前と温泉に入ったりするつもりだったのに…会長が、」

「で、でも!!会長のおかげで今年来れなかった海にもこれたわけだし、それに…僕、実はしたかった事があったんだ…」

スザクが首を少しかしげ、顔を赤らめてルルーシュを見つめた。
その瞳に吸い込まれそうになりながらルルーシュはスザクの肩を抱く。

「何だ?」

「あのね。あのね、僕……や、やっぱり恥ずかしいからいいや。」

スザクはルルーシュから目線をそらした。頬が薔薇色だ。

「おい、スザク。何だ、気になるだろ?どうした?教えないと、こうだっ」

「キャンッ!!もぉ、ルルーシュダメだよ、お尻は触っちゃだめ!!」

スザクはルルーシュのセクハラを腕で押しのけて阻止し、クルリと海の浅瀬の方にかけ出した。

「もぉ仕方ないな…あのね、僕と追いかけっこしてほしいの。浜辺で。」

ルルーシュが衝撃を受けたその時、スザクの回りにハイビスカスの花吹雪を見た。

勿論、幻だ。

「…スザク、それは誠か?」

何か一部時代劇風な話し方になってますよ、ルルーシュさん。
おっと、私の声など聞こえないようです。
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