L×S

□君がいるだけでB
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『君がいるだけでB』

さてさて、ルルーシュの身体を乗っとりましたマリアンヌ様。

「さぁて、誕生日パーティーの会場はこっちよね〜。」

やんや、やんや、と盛り上がる会場に入ったマリアンヌ様は、ルルーシュの声を借りてかんぱつ入れず叫んだ。

「スザぁ―ク!!」

その声に全員が扉の方を見る。
もちろん、スザクもポカンとしながらルルーシュ(中身マリアンヌ)を見た。

「ルルー…シュ?」

ルルーシュ(中身マリアンヌ)はスザクの腕を、むんずとつかみ、スザク以外のメンバーに、

「主役は返してもらうぞ。これからは恋人同士の時間だ。
あ、お前達で片付けはちゃんとするように。
行くぞ、スザク。」

「え?何で、あなたと…」

スザクの言動が少々おかしな気がしたが、ルルーシュ(中身マリアンヌ)は気にせず、パーティー会場の部屋から連れ去った。



















「ちょちょ、ちょっと!何で、あなたがそんな姿になってるんですか!?」

ルルーシュの部屋に連れて来られたスザクは、叫びながらつかまれている腕を強引にふりほどいた。
「何を言ってるんだ、スザク。飲みすぎたのか?それとも、俺が遅れて来たから怒っているのか?」


「酔ってないし、別に怒ってません。ルルーシュは皇帝だし、多忙で当たり前だ。
僕が言っているのはそんな事じゃなくてっっわっっ!」

いきなりスザクはまたも腕をつかまれ、強い力でベッドに押さえつけられた。
ルルーシュの力とは、おおよそ思えないような強い力だった。

「なぁんだ。あなた分かるのね、私がルルーシュじゃないって事。凄いじゃない。
なかなか他人に気付かれないのよ、憑依って。」

ルルーシュの声なのに、やたら甲高くて正直気持ち悪い。
スザクは自分の腕を押さえつけるルルーシュの腕をなんとかふりはらおうとするが、いつもなら出来る事が出来ない。
おそらく、マリアンヌはルルーシュの身体の身体能力を極限まで使っているのだろう。
人間が普通引き出せる身体能力はたった30%。しかし、マリアンヌは残りの70%をも無理に引き出してスザクを拘束しているのだ。
これを続ければ、ルルーシュの身体への負担は相当のもの―場合によっては、死もありうる。

「っ…僕達に、復讐でもしに来たのですか?」
「フフフ…そうね、それもあるかな。でも、思いついちゃったの、この子が一番嫌な事。
ねぇ、私があなたの事好きにしちゃったら―あの子、すっごく怒ると思うのね。」

好きに、とは…まさか。

ルルーシュ(マリアンヌ)はおもむろにスザクのシャツを器用に片手で外しだした。
プチプチととられて行くボタン。
スザクもさすがにバカではない。
今自分が置かれている状況を把握した。


「(この人っまさか!)」

「ねぇ、身体はのっ取れても本人の意識はちゃんとあるのよ。今私がする行動を、ルルーシュは自分の目を通して見ているの。
自分の身体なのに、違う意識体があなたを手ごめにしたら、フフ…」

思惑を暴露したルルーシュ(マリアンヌ)。スザクはそれを知った時、今までよりさらに強い力で抵抗した。

「離せっ!」

「もぉ、暴れないでよ。ルルーシュったら本当にひ弱ね、DNAの体力系統もいじっとけば良かった。
こぉらっ!暴れるなっての!!」

ルルーシュ(マリアンヌ)はスザクの腕を、ルルーシュが着ている服のエビ茶色のネクタイでしばってしまう。
手の自由を奪われ、腹筋あたりにかけられる男の体重。そして先ほど飲んでしまった酒によって、視界もあわないとくる。

するとスザクの抵抗がゆるくなった。
と同時にルルーシュ(マリアンヌ)の動きがにぶくなった。
焦点があわないのか、額に手をそえて、頭をブルブルとふる。

「っ何!?身体がっ…」

スザクはルルーシュ(マリアンヌ)の異様な動きに目を奪われた。
頭を押さえたかと思えば、スザクの頬を触っていた手が高く天に上げられ、今にもちぎれそうで、ルルーシュ(マリアンヌ)は痛みを訴えた。

「ぃぃいたいっいたいっ!」

『…貴女という人は…』

痛みにもだえるルルーシュ(マリアンヌ)と入れ替わり立ち代わり、本来のルルーシュの声が発せられてるのが聞こえだした。

『俺のスザクに手を出すのは…母さんでも許さない…』

ルルーシュの両腕が後ろにのけぞって行く。それは常識では考えてられない程に曲げられて行く。


『自分の思い通りにならない事もあるって事を、思い知らせてやるっ!』

ルルーシュがさらに自分の腕を曲げようとした時、スザクが叫んだ!

「止めてっ!ルルーシュ!!」
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