hakushu room
□拍手小説D『はんぐりぃ・すぱいだぁ』
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※スザク・蝶々
ルルーシュ・蜘蛛
の、擬人パラレルですΣ!
僕は枢木スザク。
モンシロチョウのオスです。
ここは僕のお気に入りのヒマワリ畑。
ヒマワリは大きくて可愛くて大好き。種も美味しいしね☆
パタパタと白い羽を羽ばたかせて、僕はヒマワリの種の部分に腰かけた。
「ふぁ〜、今日もいい天気だ。」
ヒマワリはあまり密がとれないけど、お昼寝をするには凄くいい。
僕はポカポカの陽気にうたた寝をしてしまった。
気が付いた時、回りは真っ暗になっていた。
いや、夜になったわけではないのだ。
ここは…
「気が付いたか?」
暗闇から聞こえた低い声。
僕はビクビクしながら聞き返した。
「き…君は?」
そう聞かれて、少し間をおいて低い声の主は答えた。
「お前が俺のテリトリーに落ちていたから助けてやっただけだ。
さっさと帰れ。」
ぶっきらぼうに言われたけど、ヒマワリから落ちた自分を助けてくれて、葉っぱに寝かせてくれたようだし、お礼はちゃんと言わなきゃ。
「そう、だったんだ。ありがとう、助けてくれて…」
僕はそう言ってその場を去ろうとした。だってここは凄く暗くて、寒くて、何だか怖かったから。
飛びたとうとしたらまた暗闇から声が聞こえた。
「お前っ…名前は?」
僕はキョトンとしながら答えた。
「…スザク…」
「なぁ、最近蝶々が引っ掛からなくて侘しい食卓だよな〜」
ルルーシュと同じ蜘蛛族のリウ"ァルは糸を手で遊びながら聞いてきた。
「そうだな…」
だが、興味のなさそうなルルーシュは頬杖をついて、先月スザクが眠っていた葉っぱを見つめている。
「なぁなぁ、もうそろそろ蝶々達の婚約の時期だな。白蝶(はくちょう)族の枢木スザクが今年初めて嫁さん募集したらしいぜ、そりゃもうわんさかっわΣ!」
ガッと突然リウ"ァルの肩をつかんだルルーシュ。
「こ、んやく…だと?」
「あ、あぁ…結局相手は揚羽蝶一族のユーフェミアらしいけどっってΣ!
ルルーシュ!どこ行く気だ!」
「分からん!俺にも…」
ルルーシュの動揺に、軽いノリのリウ"ァルだが、妙に空気の読める彼は、ルルーシュの行動の意味を察した。
「ルルーシュ…蝶族は、俺達にとってただの食事だ。それ以下でも、『以上』にもなっちゃいけない。分かってるだろ?禁忌だ、お前の気持ちは―――」
リウ"ァルの言葉に一瞬たじろいだものの、想いがそれより大きいルルーシュは。
「俺は…」
ダメだ…忘れられない。
白い羽を羽ばたかせて、いつも太陽に向かって飛び立つ彼を、ヒマワリの葉に光をさえぎられた冷たい土の上から見ていた。
キラキラと舞うりん粉が太陽に輝いて…。
どうしても彼が、欲しい―――
つづく…