hakushu room
□拍手小説C
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熱い陽射しをあびて
君の涙にうるんだ碧の瞳が
キラキラ光ってた
少し大人になった
気がした日は
夏の太陽が
さらに輝いていた
『☆スウィートドーナッツ★』
「べっ!別に僕は泳げないわけじゃないっ!ただ…息継ぎが出来ないだけだっ!」
滝から流れでた川のほとりで、プンプンと怒りながらルルーシュはスザクにそう言った。
そしてスザクは、
(それって泳げないとどう違うんだろ?)
と思ったが、珍しく空気を読んで言葉にはしなかった。
ここはスザクの秘密の場所。
枢木神社の裏手から1km弱離れた場所に、富士山から流れ出た雪解け水が流れる滝がある。
他の川よりここは凄く水が冷たくて、神社から少し遠いとはいえ、スザクはよくここに水遊びをしに来ていた。
「でも、来週はナナリーも連れてくるんだし、泳げなかったらお前兄貴の面子丸つぶれだよな。
まぁ、俺はいいけど(笑)」
そう二人は、夏真っ盛りで熱くなってきたので、ルルーシュの妹・ナナリーを涼ませてあげたいと思い、車椅子の彼女でも遊べるかどうか、下見に来たのだった。
「だから、泳げないんじゃなくて」
「俺が教えてやろうか?」
スザクの突然の提案に、誰かに何かを教えてもらうのに、どうも抵抗があるルルーシュだったが、ナナリーに不様な所は見せられない、と考えたすえ…
「(ナナリーにカッコ悪い所は見せられない…ここは恥をかくのもプライドだ!)分かった、やるからには絶対最後まで付き合ってもらうからな!」
フンッと鼻をならすルルーシュに、
「教えてもらうのに偉そうな奴だな。お前こそ覚悟しろ、ビシビシしごいてやるからな!」
とスザクもビシッ!とルルーシュを指さした。
そんなこんなで、明日はナナリーを川に連れて行く日になった。
ルルーシュの泳ぎは何とか様になるようになり、スザクはフフンッとさも得意気に言った。
「どうだ、俺の教え方は。」
「だから、僕は息継ぎが出来ないだけだって言ったのに、何でばた足からだったんだ。」
心外だ。とブツブツ言うルルーシュにスザクは、
「そのばた足だって最初は全然だめだったじゃないか。」
なにぉ〜!とまた二人の他愛ないケンカが始まったが、それはすぐにおさまった。
「…まぁ…何はともあれ、…た、助かったよ。…ぁ、ぁり…と…」
「何だよ、よく聞こえないぞ。」
「ありがとうって言ったんだよ!
教えてもらったんだから一応お礼言うのが当たり前だろ!?」
真っ赤になりながら不躾にお礼を言ってくるルルーシュに、スザクはキョトンとしながらも、
「あ、どういたしまして…」
クスクスと笑う二人の後ろ、緑の木々のすき間から、熱い夏なのに、柔らかい木漏れ日がゆれる。
スザクの碧の瞳が、キラキラ光って、薔薇色の頬が何だかなまめかしい…。
「あ、あのな…日本じゃこうゆうのは嫌がられるかもしれないけど…」
「?」
「僕の国では親愛の証でするから…本当に、ありがとう…スザク。」
そう言ってルルーシュはスザクの赤い唇に口づけした。
その後、耳まで真っ赤になったスザクに、滝壺に落とされる事になる。
(ファーストキスだったのに…(泣))
君の唇の柔らかさに
初めて感じたこの気持ちを
どう表現したらいいのだろう
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拍手、ありがとうございます〜ヽ(´▽`)ノ
子ルルスザでした。きっとルルーシュは泳げないと八重はふんでいます(笑)
実はこの続きがL×S underに置きます。そちらも良かったらどうぞ 100721
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