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□1205hitお礼小説「兄様によく似た珊瑚の白い肌」ルルスザ+ナナリー(全年齢向け)
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「お雛様?」
私はスザクさんのお家の蔵で古いお人形を見つけました。
『兄様によく似た珊瑚の白い肌』
「そう、日本では女の子が生まれたら元気に育つようにってお雛様を飾るんだ。ほら、触ってみて。」
スザクさんに手を引かれながら、私はお人形に触れました。
サラサラしたこの感触は、
「これは…髪の毛?」
私が言うとスザクさんは、「当たり!!」と言って、次はちょっとザラザラとした、刺繍のような布地に指先がふれたので、私は触った事の無い感触に、「?」となり、首をかしげました。
「これはね、着物っていう日本の伝統衣装なんだ。ほら、これは扇。これは冠。」
次々に私の手をお雛様の色んな部分に触れさせてくれるスザクさん。
私は触れた事のない、お人形の感触がとても楽しかった。
「ブリタニアのお人形とは全然違うんですね、お洋服を何枚も着ていて、髪の毛はサラサラで。やっぱり黒髪なんですか?」
「そうだね、やっぱり日本人は黒髪が多いし、俺みたいに茶色い奴もいるけど。お雛様って言えば黒髪に珊瑚の白い肌って言ってね。」
「珊瑚の白い肌?」
私は聞きなれない言葉にまた首をかしげた。するとスザクさんが歌を歌い始め
「お雛様の歌ってのがあって、灯りをつけましょう、ぼんぼりに〜って歌詞で始まって、サビ位に、お嫁に〜来た?…なんだっけ?姉ちゃんによく似た、珊瑚の白い肌って…ちょっと歌詞違うけど、ってのがあるんだ。
。まぁ女の子は珊瑚みたいな白い肌と黒髪が、日本人は一番綺麗っていいたいんだと思う。」
私は、お雛様の髪を撫でながら、スザクさんに聞きました。
「…スザクさんは黒い髪の、肌の白い方の方がお好きですか?」
「えっ!?」
スザクさんは、なぜか私の問いにずいぶん驚かれたようで、ワタワタしていらっしゃるみたい。
何かおかしな事を言ったのかしら?
私達ブリタニア人にしては何でもない事も、日本人のスザクさんには聞いてはいけない事だったのかしら?
「べ…別に、黒髪が…特別好きなわけじゃ…嫌いじゃないけど。」
何だかしゃべり方がしどろもどろになってらっしゃるけど、どうやら変な事を聞いたのではなかったみたい。
「スザクさん?何だか…ほっぺも熱くなってるみたいですけど。」
私がスザクさんの頬に触れると、ビクッと驚かれたたので、「ぁっ、ごめんなさい。」と手を離した。
「ぁ、ごめん、ごめん。ちょっと…今日は、熱いみたいで。
あっ暖かくなってきたから、桃の花も咲いているかも。後でとってきてあげる。」
「桃のお花?」
「うん、ひな祭りは桃の節句とも言って、桃の花を飾るんだよ。」
お花が好きな私は、
「まぁ!!ぜひ見てみたいです。」
と、お願いすると、スザクさんは「じゃぁちょっと待ってな。蔵のすぐ裏に桃の木があるから、見てくるよ。」
と蔵を出てていかれました。
俺は蔵の裏に回って、桃の木の花のついている部分を探していた。
すると、やっぱり暖かかったからかだいぶ花が咲いていて、ピンク色ですごく綺麗。
俺はお辞儀をして手を合わせると、桃の木から一枝もぎ取った。
スザクさんが出ていかれて少したってから、お兄様が帰ってこられました。
「あれ?ナナリー、スザクは?あいつ、『ナナリーは俺に任せておけっ』とか言いながら、置き去りにしてどこに…」
お兄様が何か誤解をなさっているみたいなので、
「お兄様、違います!スザクさん私にお花を見せてくださるために裏庭に行かれたんです。すぐ帰ってくるって…」
「…そうか、なら…いいけど。」
「そうだ、さっきスザクのお家のメイドさんにお菓子をもらったんだ。丸くて色が沢山あるんだよ、ピンクやホワイトや、グリーンもある。スザクの瞳色みたいだ。」
「スザクさんの瞳はグリーンなんですか?」
「あ、うん。明るい若葉のような、綺麗なグリーンだよ…。」
お兄様のお声がなんだか柔らかくて優しい感じがしました。
お兄様はそのグリーンの丸いお菓子を「食べてみるかい?」と私の口に入れてくれた。
「-サクサク-…ちょっと苦いですね。でも私この味好きです。」
「え?苦い?-サクサク-…本当だ…なんだこれ?…お茶?」