L×S

□初めましてドクター
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「901号室の患者さんって〜あれですよね〜?うちの病院に寄付してくれてる〜確か名前が〜」
「名前がブリタニアカンパニーで、宇宙船開発からお庭のお手入れまで、このカンパニーが関わらない事業は無いなんて言われるほどの大企業ですよ。」
「で、そこの四男坊が入院してきたんだもの、寄付してもらってるうちとしては、その四男坊を通じて父親様にいい顔しときたいってわけね。」
「でも〜今は殆ど次男が事業を動かしているって〜ききましたよ〜」
とその時、話声をさえぎるようにパンパンと拍手が聞こえた。
「ほらほらほらほらぁ〜!!!あんた達も持ち場に戻る!!」

女が三人でかしましいとはよく言ったもの。このおしゃべり三人娘達を解散させた婦長さんは、やはりまだスザクの事が心配そうだった。

(何かやらかさなきゃいいけど…)



スザクは無作為に走って来たが、どうやら担当の病室に来ていたようだ。

(もう…婦長さんは心配し過ぎなんだよ。もう僕だって医者になって三年目。そろそろ医者として認めてくれてもいいのになぁ…)

いつまでも子供扱いされる事にため息をもらしながらも、こんなしょぼくれた顔を患者さんに見せるわけにはいかないと、持ち前のポジティブを生かして、すぐに立ち直ったスザク。
ゆっくりと病室の扉を開けると、目線の先にあった介護用ベッドに腰かける少年が目に入った。


「貴方が僕の担当医の先生ですか?」

美しい黒百合が咲いたような微笑に、スザクはドキッとした。
ドキドキして、上手く言葉が出ない。やっとつむげた言葉は何て事ない自己紹介だった。

「ぁ…ルルーシュ君の担当医をさせて、いただく…枢木スザク、です。…よろしく。」

「こちらこそ、よろしくお願いします、枢木先生。」

ルルーシュは笑顔で握手を求め、スザクもおずおずとそれに答えた。








この出会いが、スザクのこれからの未来を大きく変えていくなんて、その時のスザクには、想像もできなかった。



「好きだよドクター」に続く…
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