ドM症候群Book
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「暇じゃのぅ…おーい、丸井何か面白い話しんしゃい」
いつもよりダラッと椅子に寄りかかる仁王に話しかけられたのは、隣でガムを膨らましたり割ったりを繰り返している丸井だ。
「面白い話ー?…あ゛ー恋バナとか?」
「お、面白そうやのぅ。丸井、好きな人居らんのか?」
何となくで言った一言に仁王は意外と食いついてきた。
“恋バナ”に反応した2年エースも顔を上げる。
「俺?俺は…そうだな……。今んとこいないぜぃ。」
丸井は素っ気なく返した。
のんきにガムを膨らましている。
これ以上聞いても面白くないと考えたのか、仁王は赤也に話をふった。
「赤也は?…その顔は居るようやのぅ。」
「え?へへっ…いやぁ…」
照れ、照れ、とニヤニヤしている顔を見ると、どうやらベタ惚れのようだ。
『誰だよ』と仁王と丸井が茶化す。
「えー、先輩達言わないで下さいよ!!」
「あぁ、言わんぜよ」
「大丈夫だぜぃ。」
じゃぁ…と赤也は少し咳払いをして、顔を近付けた。
「朱鷺原先輩…ッス!」
「「……はっ?!!!」」