ドM症候群Book

□07
1ページ/2ページ




「…はぁあ…」
「大きなため息やのぅ、参謀と喧嘩でもしたんか?」



教室でため息をつくと、後ろから聞こえる声。
仁王だ。
私はアレから走って家に帰り、長時間反省したつもりだ。
いくら反省しても、言ってしまったことに変わりはないのだが。



「喧嘩…っていうか、一方的にっていうか…」
「何があったんじゃ?俺でよければ話聞くぜよ。」
「……仁王…」



この時、仁王が神様に見えたのは気のせいだろうか。
うん、気のせいだな。
だって詐欺師だもん。



「…仁王が言った通り、嫉妬とか、しちゃってた…の…。」
「ほぅ、やっぱりか。…で、落ち込んどるんか。」



嫉妬で落ち込んでるわけじゃない。
まぁ、それもあるけど…
私が落ち込んでるのは……。



「……ち、違うの、わ、私が……」



本当にあったことを全て話す。
私が言った事も、彼の態度も…。



「………そうか。」
「そこで、私、酷いこと言っちゃって…っ」



ポロポロと涙が零れる。
なんでこんなに涙が出るんだろう。
なんでこんなに…私は弱いんだろう…



「少し…落ち着きんしゃい。」



ぽん、と頭を撫でてくれた。
不思議と呼吸が整ってくれた。



「後悔しとるんじゃろ?……泣いとるってことは、まだ柳が好きなんだな。じゃあ方法は一つぜよ。」



私が首を傾げると、仁王はクスッと微笑を浮かべ目を瞑った。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ