ドM症候群Book
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「あ、ヤバい、遅刻ー!怒られるー!」
初めての部活、初めてのマネージャー!
なのに…初日から遅刻なんて…怒られるだろうか。
いや、怒られるんだ。
あの部長だもん!絶対怒られそう!
黒い部長にしごかれるなら死ぬ気で走った方がましだー!
と意気込みつつ、全力疾走で廊下から階段を駆け抜ける。
「…うゎっ!!」
丁度1階に降りる階段でズルッと足を滑らせてしまった。
落ちる!と思ったが、気付いた時には誰かに抱えられていた。
「…っと。怪我はないか?」
「あ…はい…。」
助けてくれた男子生徒は何回か見かけた事がある。
人の顔覚えが悪い私には、名前がパッと出てこない。
確か…えーと…。
「急ぐのは分かるが、焦りすぎも良くないぞ。ちゃんと説明して謝りさえすれば、幸村も怒りはしないだろう。」