ドM症候群Book
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仁王と丸井の反応に、赤也はキョトンとしていた。
ハッと気付き、先輩二人に詰め寄る。
「もしかして!二人も好きなんスか?!だめッスよ!一番始めに好きになったの、俺なんスから!!」
「「いや、好きになんねぇから。」」
二人で否定したが、まさか…赤也の好きな人が朱鷺原だとは。
考えもしなかった。
「…で?朱鷺原のどこに惚れたんじゃ?」
「えっと、一生懸命仕事するとことか、柳先輩に何言われてもめげないとことかー…とにかく、全部ッス!!」
ニカッと笑う赤也にますます複雑な気分になる二人だった。
これは、言うべきか言わないべきか…
仁王と丸井は二人で目を合わせて、アイコンタクトをとる。
数秒したところで決まった。
「あー、赤也そういや朱鷺原、彼氏いるみた……い゛゛ぐぁ?!」
彼氏と言ったとき、赤也の目の色が変わり、胸ぐらを掴まれた丸井。
……いや、マジで。充血しているのだ。
「彼氏?!誰ッスか!誰!」
「あ、赤也、落ち着きんしゃい。朱鷺原にもそういう人くらいおるじゃろ。」
「……チッ。相手の男マジでぶっ飛ばす!」
何だか可哀想に思えてきた。
好きなのは朱鷺原で良いとして、ぶっ飛ばす対象が部活の先輩…しかもテニスでも勉強でも身長でも何でも敵わない柳蓮二だなんて。
可哀想すぎて俺達の口からは到底言えることではない。
「皆元気ー…って?あれ?プリガムレッドだけ?」
「あぁ、他の奴はまだだぜぃ。」
「……で、赤也はどうしたの?」
ドアを開け、話の張本人、朱鷺原が入ってきた。
赤也の充血に気付いたのか、彼に近づく。
そして心配そうに顔を覗き込んだ。
「っ、だ、大丈夫ッスよ!///」
「でも、顔も赤くなってるし…?」
そう言った直後…赤也が叫ぶ。
目はもう治ったようだ。
「朱鷺原先輩、彼氏いるんスか?!」
「えっ?!」