テニスの王子様 Book
□柳蓮二
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微狂?注意
「キモチワルィ…」
そう言って屋上に入る。
真ん前に蓮二の後ろ姿が見える。
彼以外、誰もいないその空間は素敵なものに思えた。
「なんだ、つわりか?」
突拍子も無い言葉に少し驚いたが、ノリながら彼に近づく。
「何?心当たりでもあるの?」
「ないが、今から心当たりを作るところだぞ?」
振り返る彼はそのまま私を押し倒した。
何となく予想していたのと、押し倒されること事態にそんなに驚かなかったから、真顔で冗談を言ってみる。
「ふふ、本当かもよ?私が他の男と寝てたらどうする?」
挑発気味に発してみる。
彼を見ると、空と凄くマッチしていてとても綺麗だった。
思わず鼓動が高鳴る。
「そうだな、まずその男を殺すな。」
「アハハ、何それ!それは私が愛されてるってこと?」
変わった愛され方に思わず笑ってしまった。
それだけ愛されているのも凄いと思うのだけれど。
『当たり前だ。』という彼はいつもと変わらなくて。
「でもこんなとこで愛しあっちゃったりして、できちゃったらどうする?」
またもや挑発するように言うと、いつもより綺麗な笑顔を向けた。
「そうか、それなら泣いて喜ぶぞ?」
そんなこと言われたら、嬉しくてしょうがない。
どんな事もサラッと言う彼に呆れつつ、言葉を吐いた。
「……バカ蓮二。」
そう言って、私は彼の首に腕を回した。
最後の恋人
(愛しすぎて壊れてしまいそう)