テニスの王子様 Book

□柳蓮二
6ページ/10ページ

微狂?注意




「キモチワルィ…」




そう言って屋上に入る。
真ん前に蓮二の後ろ姿が見える。
彼以外、誰もいないその空間は素敵なものに思えた。




「なんだ、つわりか?」




突拍子も無い言葉に少し驚いたが、ノリながら彼に近づく。




「何?心当たりでもあるの?」

「ないが、今から心当たりを作るところだぞ?」




振り返る彼はそのまま私を押し倒した。
何となく予想していたのと、押し倒されること事態にそんなに驚かなかったから、真顔で冗談を言ってみる。




「ふふ、本当かもよ?私が他の男と寝てたらどうする?」




挑発気味に発してみる。
彼を見ると、空と凄くマッチしていてとても綺麗だった。
思わず鼓動が高鳴る。




「そうだな、まずその男を殺すな。」

「アハハ、何それ!それは私が愛されてるってこと?」





変わった愛され方に思わず笑ってしまった。
それだけ愛されているのも凄いと思うのだけれど。
『当たり前だ。』という彼はいつもと変わらなくて。




「でもこんなとこで愛しあっちゃったりして、できちゃったらどうする?」




またもや挑発するように言うと、いつもより綺麗な笑顔を向けた。




「そうか、それなら泣いて喜ぶぞ?」





そんなこと言われたら、嬉しくてしょうがない。
どんな事もサラッと言う彼に呆れつつ、言葉を吐いた。




「……バカ蓮二。」




そう言って、私は彼の首に腕を回した。







最後の恋人
(愛しすぎて壊れてしまいそう)







 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ