テニスの王子様 Book

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6月1日…水曜日。


テニス部の名簿をたまたま見た私は、驚愕の事実を知る──。




「仁王!ブン太!」

「んぉ…ミョウジ。どうしたんじゃ、血相変えて。」

「ユーレイでも見たのか?まだ、真昼間だぜぃ。」




昼休み、コンビニの袋を片手に歩いている二人の赤と銀。
名前を呼んだだけなのに、ケラケラを笑う二人の足を思いっ切り踏んでやった。
ふざけてる場合なんてない。




「「っい゛……っ!」」

「ふざけてる場合じゃないの!」




やっとちゃんと話を聞いてくれた。
始めからちゃんと聞け、アホ。




「あと3日……3日でサプライズを考えようと思ってるの!協力して!」

「…3日?3日後って…6月4日?…何かあったか?」

「バカブン太………蓮二の誕生日だよ!」




二つの声が『あぁ』と揃った。
こんにゃろ、忘れてやがったな…!




「で?サプライズすんのか?」

「うん!」





と元気よく返事をした私に対して、彼らが



『(バレる…だろうな)』

『(そうやのう…。ま、ミョウジがやりたいんならやらしてやりんしゃい。)』



などと、ヒソヒソと内緒話をしているなんて、知らなかった。




**********




6月2日


「幸村!真田!サプライズパーティーしよ!」

「サプライズパーティー?」

「そういえば、土曜日は蓮二の誕生日だったね。」




部活の打ち合わせに来たのか、幸村の机の上にはプリントが散乱していた。
真田は相変わらず、腕を組んで立っている。




「蓮二がビックリするような事、やろうよ!」

「ふふ、じゃあ、ミョウジが真田と浮気してるっていう噂流してみようか。」

「は?!それサプライズになんないじゃん!ってか、私は蓮二一筋ですから!」





ふいっと顔を背けると、幸村が笑いながら『ごめん、ごめん』と謝ってきた。
幸村の口から謝罪の言葉が(笑いながらではあるが)聞こえてきたので、許すとしよう。




「蓮二もきっと、泣いて喜ぶんじゃないかな。」

「えー?あの人が泣くぅ?それ一種のホラー……」

「ナマエ。」




『ん?』と後ろを振り返ると、そこにはサプライズパーティーをされる側の人間が。




「れ、れれれれ蓮二!!!」

「なんだ。」

「ど、ど、どうしたのぉ?何か、あったぁ?」




いかにも、『貴方にヒミツな事を話してました』と言わんばかりの反応に、幸村と真田は『あぁ、バレたな』と呆れ笑いをした。






 
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