ドM症候群Book

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「付き合い始めたのに、まだそれ?」



後ろから聞こえてきたのは、幸村の楽しそうな声。
言葉にある"それ"、とは若菜を犬のように扱っている事だろう。



「アレはこっちが好きらしい。」
「まぁ、それっぽいね。顔が生き生きしてる。」
「あいつの"犬"加減には呆れるな。」
「"犬"じゃなくて、"ドM"なところだろ。」



あいつがドMと言われればそうかもしれない。
むしろ、ドM以外の何物でもない。
だが、そんなドMを好きになってしまっては仕方がないのだ。
これからはアイツがいじけない程度に構ってやらないとな。




まぁ、これが俺の



最大の愛情表現だから、




覚悟しておけよ。





廊下を一生懸命走る彼女を見て吐いた言葉は
いつの間にか空に消えていった。






ドM症候群
(…ド級のMasochist症候群!?)





 
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