小説

□こっちを向いて?
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カタカタカタカタカタ…



「…ねぇ何かクルル機嫌悪そうじゃねぇ?」



カタカタカタカタカタ…



「またお前が機嫌を損ねるような事でもしたんだろう!」

「まっまだ我輩は何も…。」



カタカタカタカタ…



「ちょっと軍曹さん聞いてみてくださいよぉ…。」

「そういうのはギロロに…。」

「なっそれは俺じゃなくて自分でやれ!!」



………。



「…あのさぁ。」



先程から口を開かなかったクルルが顔を向けた。



「ちょっと、黙っててくんねぇ…?」

「「「はい。」」」



無表情だが確かに機嫌が悪いと三人はわかった。
正直な所一番機嫌が悪くなると手が付けられなくなるのはクルルだ。
だから相手を刺激しないようにその場から居なくなるのが先決だと三人ともよく知っている。

クルルの気がもっと悪くならないために部屋から出ていった。



「……。」



一人になった部屋はとても静かで何だか広く感じてしまう。

機嫌が悪い、確かにそうだ。
だけどあまり感情を表に出さないのに今日は…いや、



「…今日も、か……。」



瞳を閉じると頭の片隅にふと浮かんでくる。



「ははっ…。」



ふいに口元が歪んでしまう。

だってそうだろう?
生き物すべてがモルモット(実験体)だったのに、あいつに会ってから180℃世界が変わってしまった。



「やべぇ…あいつ不足だ……。」




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