□誕生日って内容じゃなくて誰と過ごすかだ…って、えらい人が言ってた気がする。(近土)
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5月4日午後11時52分。

世間一般ではそろそろ夜中に入る頃、
真選組副長、土方十四郎は未だ雑務をこなしていた。
夕方からペースを崩さず続けていた甲斐あってか、書類の山は殆どが検閲された後のものだった。
「もう少し、だな。」
気合いを入れてもう一度書類に目を向けた。

しかし、襖から人の気配がしたことでその作業は中断されてしまった。
鬼の副長と恐れられる土方を夜中に訪問してくるものなど一人しかいない。
「…近藤さん?」

襖の向こうにいるであろう相手にそう話し掛ければ、襖が遠慮しがちにゆっくりと開いた。
「よう、まだ仕事してんのか?トシ。」
「おかげさまで溜まった仕事も今日中に終われそうだよ。」
「おお!ならよかった!!」
そう言うと近藤は土方の隣に腰を据えてなにやら時計を見つめてじっと待っていた。
「…何やってんだ?」
「いいからいいから!それ、最後の書類だろ?終わらせちまえよ。」
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