NARUTO短編集

□光を選べ
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守りたかったものは、みんな失ってしまった。



仲間の大切さを教えてくれた親友は、その恩を返す機会も与えられないままこの世を去り


親友が守れといった女性も、今はもういない。





悲しみや、虚無感に浸っている暇は無かった。


時は大戦期。


そのような惨状はどこででも見受けられた。










今、少年を絡め取っている憤りや絶望を痛いほど知っている。






そして、その荒廃した感情にも光は射すのだということも



身に沁みて知っている。






少年よ、闇に飲まれるな。







――オレに射した光は、お前たちなんだぞ。








親友から託されたものがある。


三代目が残していったものがある。





生き残った者たちには、それを受け継ぐ義務がある。


伝えていく義務がある。





火の意志。





――お前にも、もうあるんじゃないのか。



――なにより、お前には仲間がいる。



――お前にはもう、別の選択肢ができたんだ。



――過去に開いた大きな穴を見つめるばかりでは、自己陶酔はできても、未来へは繋がらないぞ。





光を選べ、少年よ。





そうすれば道はおのずと開かれるのだから。














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