NARUTO短編集
□正々堂々、勝負!
1ページ/1ページ
私は周りに比べたら、忍術だって体術だって、ちょっとイケてる。
みんなが3日かかることが私には1日でできるし、ものだってみんなより知ってる。
まあ、知識については、サクラには負けるけどね。
サクラ。
あの頃のあんたはいつも泣いてたね。
すんごくつまらないところを気にして小さく縮こまってた。
あんたはこつこつ努力したし、昔から頭もよかった。
輝ける力を持っているのに、周りの卑怯な罵声に負けて、固く目をつぶってた。
サクラを指差して笑う、あいつらが許せなかった。
あんたたちなんか、私にすらかなわないくせに、この世で一番自分が偉いような顔して、他人の弱みを叩いてる。
ばっかみたい。
そんな暇あったら自分磨く努力しろっての。
力ってのはね、他人を助けるために使うもんなのよ。
あの時の私は、あんたより少し周りを見る余裕があった。
余裕があるってことは、それを他人のために裂けるってこと。
力になってあげられるってこと。
おごりだなんて思わない。
私たちは今、大人に守られてるし、小さい子どもの面倒を見たりしてる。
それと一緒。
余裕のある人間が、しり込みしてる人間を引っ張りあげてやればいいの。
あの時私は、あんたがこのまま枯れちゃうのはもったいないと思った。
あんたの可能性を守ってやんなきゃと思ったの。
あんたは少しずつ元気になって、自信をつけてった。
周りともなじんで、よく笑うようになった。
そして気づけば、あんたはあたしのすぐ隣にいた。
あの日、私があげたリボンをつき返してきたあんたは、もう、私が引き上げてあげなきゃいけない人間なんかじゃなかった。
私と対等の、一人の女だった。
正直狼狽したし、カッともなった。
私が側にいてやらなきゃなあんにもできない、泣き虫サクラ。
何かというと私のところに駆けてきたくせに。
けど。
そういうことなら、わかったわ、サクラ。
私ももう、あんたに容赦しない。
私たちは対等。
一人の女。
ライバルよ。
あんたにだけは負けない。
絶対負けないわ。
だから、私は今、この木の葉マークを額に締めるの。
勝負よ、サクラ。
--------------------------
↓ご協力お願いいたします!
短編アンケート