NARUTO短編集

□正々堂々、勝負!
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私は周りに比べたら、忍術だって体術だって、ちょっとイケてる。

みんなが3日かかることが私には1日でできるし、ものだってみんなより知ってる。


まあ、知識については、サクラには負けるけどね。




サクラ。




あの頃のあんたはいつも泣いてたね。

すんごくつまらないところを気にして小さく縮こまってた。





あんたはこつこつ努力したし、昔から頭もよかった。

輝ける力を持っているのに、周りの卑怯な罵声に負けて、固く目をつぶってた。





サクラを指差して笑う、あいつらが許せなかった。

あんたたちなんか、私にすらかなわないくせに、この世で一番自分が偉いような顔して、他人の弱みを叩いてる。


ばっかみたい。


そんな暇あったら自分磨く努力しろっての。

力ってのはね、他人を助けるために使うもんなのよ。





あの時の私は、あんたより少し周りを見る余裕があった。

余裕があるってことは、それを他人のために裂けるってこと。

力になってあげられるってこと。



おごりだなんて思わない。

私たちは今、大人に守られてるし、小さい子どもの面倒を見たりしてる。

それと一緒。

余裕のある人間が、しり込みしてる人間を引っ張りあげてやればいいの。





あの時私は、あんたがこのまま枯れちゃうのはもったいないと思った。

あんたの可能性を守ってやんなきゃと思ったの。





あんたは少しずつ元気になって、自信をつけてった。

周りともなじんで、よく笑うようになった。





そして気づけば、あんたはあたしのすぐ隣にいた。






あの日、私があげたリボンをつき返してきたあんたは、もう、私が引き上げてあげなきゃいけない人間なんかじゃなかった。



私と対等の、一人の女だった。



正直狼狽したし、カッともなった。



私が側にいてやらなきゃなあんにもできない、泣き虫サクラ。

何かというと私のところに駆けてきたくせに。







けど。

そういうことなら、わかったわ、サクラ。

私ももう、あんたに容赦しない。

私たちは対等。

一人の女。




ライバルよ。




あんたにだけは負けない。

絶対負けないわ。



だから、私は今、この木の葉マークを額に締めるの。






勝負よ、サクラ。















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