NARUTO短編集

□ありがとう、ナルト
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ナルト。

昔のあんたはいつも

荒れ狂う波に挑むように、叫んでた。

世界の歪みを振り払うように、笑ってた。

感情を握り潰すように、こぶしを震わせてた。



バカにする同級生たちに真っ向からぶつかって

結局打ち負かされて、悔しさ紛れに壁を蹴ってた。



周囲の大人たちの冷たい視線に

遠巻きに交わされる暗い会話に

あんたは、押しつぶされまいと、二本の足を必死に突っ張ってたね。



昔の私には、あんたが一体何と戦っているのかわからなかったから

成績の悪い問題児くらいにしか見えなかった。



けど、今なら少しはわかる。






あんたは諦めなかった。



伸ばした手を

振り払われても、振り払われても

がむしゃら伸ばし続けた。

決して背を向けなかった。



自分の痛みを力に変えて、人の心を救ってくれた。

砂の国の我愛羅さんも



きっとサスケ君も



あなたに救われた。





ありがとう。




ありがとう、ナルト。



人間を

私たちを見限らないでくれて。

私たちとの関係を繋ぎ止めてくれて。





私たちはあんたに何ができる?

あんたは私たちに何を望む?



たぶんナルト、あんたは笑ってこういうわね。





サクラちゃん、デートして!















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