宝もの

□その先にあるもの
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そうと決まれば早速買い出しに走らなければならない。

メインの肉ついてはチョウジに任せるのが一番だろうとキバとナルトは口を揃えて言っているが、俺からすれば不安要素たっぷりだ。
大好きな店が休業中となればしばらく好物は食えないことになる。あいつの場合、もしかしたら牛一頭そのまま連れてくる可能性も…。



「材料調達は俺とチョウジが行く。キバとナルトは会場作りを頼むぜ」

「お、おう。でもよ、会場つったって…」



キバの質問にナルトが笑って答える。



「ムフフ…俺ってば、いい事思いついちゃったもんね〜♪まぁ会場作りは俺達に任せて、そちらさんは肉の方をよろしく頼むってばよ!」



ナルトの発案は多少心配だったが、キバもいることだし奴らを信用して任せることにした。
俺らは一度そこで別れ、打ち上げ開始時刻に間に合うように準備を進めていく。

そして数時間後、俺達四人は再度集合し買い込んだ材料を会場に運び込むことにしたのだが、その場所に着いた俺とチョウジは驚嘆する。



「たった数時間でこんな立派に作れるとはな…」

「即席って感じがしないよ、これ…どうやったの?」



驚きを隠せない俺達を見たナルトとキバは、ニヤニヤと笑いながらハイタッチを交わしている。



「忘れちゃいねぇか?お二人さん。俺には赤丸もいるし…」

「俺には多重影分身の術があるってこと!なっ?俺のアイデア良かっただろ!?」



二人の楽しそうな会話を聞いて吹き出しそうになるのをこらえながらも軽くあしらい、買ってきた材料を適当に切り分ける準備を始めた。
まぁ当然、二人は無反応の俺にブツクサと文句を言い出したがそれをチョウジが制す。



「ほら二人とも、あと一時間も無いよ!!並べるの手伝ってよ」

「ったく、何でだよっ!」

「これ作るの結構大変だったんだぞ!少しくらい褒めてくれてもいーんじゃねーの!?」

「…はいはい、わーったからとにかく口動かしてる暇あったら手ェ動かせっての!」

「意地悪!」

「鬼!!」



昔と変わらないやり取りに内心ホッとしてる俺がいた。
ナルトは未だにサスケを追っかけてるが、あいつはもう帰っては来ないだろう…。もし帰ってきたとしてもサスケを待っているのは執拗な尋問・拷問あるいは処刑、そういった現実しか無い。
サスケを取り戻したくて必死になるのは分かるが、ナルトはその後の現実を受け止められるんだろうか…?



「シカマル!!」



ふいに俺の名を呼ぶ声がして見上げれば、目の前の金髪に額を弾かれる。



「痛って…!」

「言った本人が手ェ止まってるってばよ!!」

「あ、わ…わり、」



俺達はずっと仲間だ。
それは一生、変わらないと思う。





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