捧げもの
□春の花見と天敵
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「……んで、何でオレなんスか…」
呼ばれたのはシカマルである。
内容を聞かされた彼のテンションはMAXで低い。
「こいつらが花粉が飛ぶからなどと文句を言うんでな。何かうまい方法を考えてくれ。お前ならお手のものだろう?」
「中止にすりゃいんじゃねんスかぁ?」
シカマルは即答である。
「何を言う!春と言えば桜!桜と言えば宴会!これなくして春を終えることはできない!常識だろう!」
綱手は、あからさまにやる気のないシカマルにご立腹だ。
シカマルはため息をつき、気だるげな動作で頭を掻く。
まいったな、と全身が言っている。
「んじゃ自由参加にしたらどっスか?五代目の意思も通る、先輩たちの希望も通る、万事解決っすよ」
彼はあくまでやる気がないようである。
返答も適当なこと極まりない。
しかし、綱手はフム、と溢すとニヤリと笑みを浮かべた。
「よし、そうしよう!では指揮はお前が取れ、シカマル!」
「はあ!?何で…」
「口答えは許さん!まさか不参加の先輩に幹事をやらせるような真似はできまいな?」
「いや、じゃあオレも不参加で…」
「お前は強制参加だ!いいな!」
ドスの効いた声で宣告されたシカマルは、がっくりと肩を落とした。
いいわけねぇだろ、という心の呟きをその場にいる誰もが聞き取ったはずだが、それは黙殺される。
「まぁがんばれよ!」
「これも経験ってやつだ」
コテツとイズモは、綱手の考えが変わらないうちにと、そそくさと退散していった。